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自宅入院するといくらかかる?


 医療制度の改悪で病院を追い出される高齢者が増えている。6年後には、長期入院用ベッド数が38万床から15万床に削減され、重病者以外は「自宅療養が原則」になるから、他人事ではない。となると、自宅を病室にする“自宅入院”を強いられるのだが、いったいいくらかかるのか?

●脳梗塞→月15万円超
 東京・杉並区の自営業者・Aさん(58)は、今年、脳梗塞の実母(85)を地方から呼び寄せた。入院先の地方の病院が、儲けの少ない長期入院者用施設を閉鎖したからだ。
「東京への転院を希望しましたが、月額50万円を要求され断念しました。老人ホームも5年以上の順番待ちです。しかたなく自治体の補助金20万円で自宅を改造、自宅入院しています」(Aさん)
 妻の献身的な介護もあって、実母の症状も安定しているが、費用負担は決して軽くないという。
「母は寝たきりで要介護4の認定です。月額29万円までは介護保険でカバーできますが、ベッド、車椅子、ポータブルトイレのリース料のほか、おむつ代や訪問看護代、医師の往診費の一部などは自己負担です。薬代を含めると軽く月額15万円以上の負担増になります」(Aさん)
 高額療養費として申請すれば、2カ月後には半分近くは戻ってくるが、生活は大変だという。

●末期がん→月50万円超
 末期がん患者のBさん(55)は、5月から都内の自宅で療養中だ。
 資産家でお金に余裕があるため、病院並みの看護を希望。1日4回計5時間の訪問介護と1日に1回1時間の訪問看護に加え、週2回の訪問入浴と医師の往診を受けている。
「要介護5のBさんは、車椅子のリース代など月額38万円までは介護保険から支払われます。しかし、それでは足りずに自己負担分は月額46万円。ほかに、おむつ代2万円、食事代などが必要で、最低月額50万円はかかっています」(Bさんのケアマネジャー)

●腰椎圧迫骨折→月19万円超
 身寄りのないCさん(92)は都内でひとり暮らし。腰椎圧迫骨折で入院したが、いまは退院。週12回の訪問介護、週2回のデイケア、週1回の訪問看護を受けている。要介護3なので自己負担分は19万円。老後に備えて民間の入院保険をかけてきたが、自宅療養のため無駄になった。
「こうした患者さんは増える一方です。多くの病院では入院時に“退院先を考えるように”と指導したうえ、入院費用を取りっぱぐれないよう保証金を要求。さらに10日ごとの支払い、銀行引き落としを義務付ける病院も増えていると聞いています」(都内の総合病院事務長)
“医療改革”を他人事と思っていると大変なことになる。



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