大腸内視鏡検査 いい病院見つける5つの質問

病院にコレを聞け

 大腸がんは自覚症状が乏しく、気付いたときには進行している恐ろしい病気だ。患者数も多く、2015年には胃がんを抜いて、がん患者の1位になるという。
 それだけに、40歳以上は大腸内視鏡による精密検査を受けるのが望ましいが、実は、せっかくこの大変な検査を受けても、正確に診断できる医師は10%そこそこというのだ。
 昭和大学横浜市北部病院副院長で消化器センター長の工藤進英氏に、きちんとした大腸内視鏡検査を受けるために、事前に病院に確認すべきポイントを聞いた。

●検査には拡大内視鏡を使っていますか?
「通常の内視鏡でもがんは見つかります。しかし、がんにならない過形成性ポリープか、がんになる可能性がある腺腫性ポリープかを見極めるには、精度の高い拡大内視鏡でないと難しいのです」
 普通の内視鏡だと患部拡大は5倍までだが、拡大内視鏡なら100倍までOK。どちらも保険適用だから料金は同じ。

●検査時間は肛門に管を入れて何分か
かりますか?  
 ベテランなら肛門に挿入して10分で終わる。
「20分以上かかるなら、医師が大腸内視鏡に慣れていない可能性があります。同時に“多い日は何件の大腸内視鏡検査を行っていますか”と聞くのもいいでしょう。個人病院で1日5件以上やっているお医者さんなら、評判、腕ともに良いと考えていいかもしれません」

●検査は眠ったままで行うのですか?
 大腸内視鏡は挿入した管が腸のあちこちにぶつかるためかなり痛い。そのため、鎮静剤・鎮痛薬を使う。
「患者さんが眠り込んでしまうほど多量に使うのではなく、“ここにポリープが見えるでしょう”と検査中に会話できる程度に投与する医師が望ましい」

●どの程度の間隔で定期検査を受けた
らいいですか? 
「検査もしてない時点で、半年間隔というなら問題です。普通は最初の検査で問題ない人が、1年後に行い、その後は年齢やポリープの数や状況に応じて、1〜3年ごとに行えば十分です」

●がんが見つかったときは、どの病院を紹介してくれますか?
 大腸がんの治療に強い病院とパイプがあるか否かは、その医師の大腸がんに対する知識・経験・勉強量の目安になる。
「“患者さんの希望がない場合は、××病院の○○先生にお願いしています”とまで言い切れる病院は、それなりの実力があると考えられます」
 名前が挙がった病院の評判は出版物やネットなどで確認すること。
 なお、問い合わせは電話でOKだ。まず病院の代表に電話を入れ、消化器科などに取り次いでもらい、順番に聞けばいい。