3ステップの夏バテ解消食


 夏バテで食欲がわかない。だからといって、ざるそばやそうめんなどサッパリものばかりで済ませていると、症状はひどくなる一方だ。食欲不振でも思わずはしが伸びる“夏バテ解消食”を紹介しよう。一番のポイントは――。
「サッパリ食で取れる主な栄養素は炭水化物、つまり糖質で、確かに重要なエネルギー源です。ところが夏場は、糖質のエネルギー変換にかかわるビタミンB1が汗で体外に流れてしまい、変換がうまくいきません。ですから夏バテ解消には、B1が不可欠です」(管理栄養士・林かおり氏)
 ビタミンB1を多く含む食材というと、豚肉や鶏肉、ウナギなどヘビーなものばかり。食欲不振の人は、とても手が出ない。そこで、暑さと“共存”する南国の食生活の知恵をヒントに、少々不調でも食べられる夏バテ解消食を紹介しよう。

●ステップ1 みそ汁
 どんなに食欲がなくても、みそ汁くらいは飲めるはず。みそ汁にビタミンB1の具を入れてはどうか。宮崎の夏の郷土料理「冷や汁」がお手本だ。
「冷や汁は、ご飯に冷たいみそ汁をかけ、キュウリのスライスを具に食べるもの。みそ汁にゴマを加えてある点が注目。ゴマはB1が豊富なのです」(林氏)
 ここでワンポイント。B1は、そのままでは吸収されにくい。吸収を助けるニラをきざんで入れたり、チューブにんにくをツメの先ほど加えるとなおいい。ご飯がダメな人は、汁だけでもOKだ。

●ステップ2 野菜
 冷や汁でちょっと体調が上向いたら、野菜を食べよう。沖縄が主産地のゴーヤだ。横浜創英短大の則岡孝子教授が言う。
「夏場は、抗酸化作用のあるビタミンCも汗で流出しやすいのですが、ゴーヤに含まれるビタミンCの含有量は野菜の中でトップクラス。Cの補給に最適です」
 ゴーヤは炒め物のチャンプルーが有名だが、回復途上の人には、ちょっとキツイ。そこで、トマトとタマネギを加えたゴーヤサラダだ。これをゴマドレッシングで食べれば、ビタミンB1もCも取れる。苦味が苦手な人は、関東産や沖縄産でも“あばしゴーヤ”という種類を選ぶと、苦味が少ない。塩もみして水にさらすと、さらに苦味が抜ける。
「それでもダメなら、九州や四国が主産地のオクラです。B1のほか胃の粘膜を保護するムチンが豊富。二杯酢で食べるといいですね」(則岡教授)

●ステップ3 タンパク質
 ステップ2で8割方回復した人は、タンパク質に挑戦。沖縄の“そうめんチャンプルー”は、“病み上がり”でも食べやすい。ゆでたそうめんを水切りして、豚肉とニンジン、ニラなどと炒めれば、食べなれたそうめんも、食感が変わってうまい。もうひとつはゴーヤとウナギのすしだ。
「酢飯の上に一口大に切ったウナギと、細切りにしたゴーヤをのせ、錦糸卵と一緒に混ぜればOKです。ゴーヤのビタミンCと、ウナギのビタミンB1との相乗効果で夏バテ解消効果が高い。酢のクエン酸が、さらに疲労回復効果を後押ししてくれます」(則岡教授)
“重症”な人は、ステップ1&2で体を立て直し、体調が上向いたら3へ。“軽症者”は、朝昼で1&2を取って、夕食で3だ。


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