停滞腸度を自分でチェック
3つ以上該当なら対策実行
夏場になると増える「停滞腸」をご存じか?文字通り大腸の働きが弱くなり、食べたものの消化・吸収・排出がきちんと行われず、体内に老廃物をためこんでしまう状態だ。
自分の“停滞腸度”はどれくらいか。また対策はどうすればいいのか。「停滞腸」の名づけ親である消化器内科専門医の松生クリニック(東京・立川市)松生恒夫院長に聞いた。
本来、胃で消化された食べ物は小腸で消化・吸収された後に、大腸で液状から固形に変化し、大腸のS状結腸に固形物の便としてたまる。そこから直腸に送られ、直腸反射で便意が起こる。
「この過程で腸はぜん動運動を行うのですが、停滞腸ではこの運動がきちんと行われずスムーズな排便ができなくなります。特に夏場は発汗によって腸に行く水分も減り、腸の動きが鈍りやすい。便秘になる、おなかが張ったり痛む、おならが出るなどの症状が出てきます。
停滞腸を放置すると、たまったガスで胃が圧迫され胸焼けや食道炎が起こってきます。また便やガスに含まれる毒素が全身を回って、肩凝りや全身けん怠感の原因にもなります。さらには大腸がんや大腸ポリープの引き金にもなるのです」
あなたはどれだけ毒がたまっているのか。“停滞腸度”をチェックしてみよう。10項目のうち0〜2個ならほとんど問題なし。3〜4個は軽症。5〜7個は中等症。8個以上は重症だ。自分が“停滞腸”とわかったら、対策はこうだ。
なんといっても大切なのは食生活の改善。松生院長が勧める腸を元気にする食生活「食養腸」は以下の通りだ。
●水分を多くとる
1日に1500ccの水分をとる。マグネシウムが豊富なミネラルウオーターを2、3時間ごとに1回ずつ飲むといい。
●不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよくとる
食物繊維は腸管の動きを良くしてくれるが、ごぼう、玄米、サツマイモなどに含まれる不溶性食物繊維と、モズク、リンゴなどに含まれる水溶性食物繊維を2対1の割合でとると便がスムーズに出る。
●オリーブ油をとる
オリーブ油に含まれるオレイン酸はスムーズな排便を促す。毎朝ティースプーン1杯分をパンにつけて食べるのもいい。
●オリゴ糖を活用する
ビフィズス菌のえさとなって腸内の善玉菌を増やすオリゴ糖を、ジュースやヨーグルトに入れて飲むといい。
●腸の老廃物を出すペパーミントジュースを飲む
男性でも手軽に作れる毒出しジュースを飲む。用意するのは湯500ミリリットル、ペパーミント乾燥粉末小さじ1、レモン果汁大さじ2、チューブ入りショウガ1〜2センチ、オリゴ糖適量。ペパーミントは調理用ハーブの売り場で400円弱で手に入る。
「ペットボトルやビンに、ペパーミントと湯を入れて5分ほど置く。そこにほかの材料を全部入れてよく混ぜれば出来上がり。冷やして飲んでもいい」
停滞腸から脱し腸が元気になれば、夏バテも心配なしだ。
●停滞腸度チェックリスト
(1)基本的に小食である
(2)野菜は好きではない
(3)果物はそんなに食べない
(4)あまり水分を取らない
(5)1日3食取らないことが多い
(6)食後に下腹部がポッコリ出る
(7)最近、ダイエットをした(または現在している)
(8)運動はほとんどしない
(9)最近、ストレスを感じることが多い
(10)最近、便秘気味だ
該当項目が0〜2個はほとんど問題なし。3〜4個は軽症。5〜7個は中等症。8個以上は重症。
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