歯間ブラシとフロスで歯周病を防ぐ


 40歳を越えると8割以上が歯周病といわれている。そのつらさは相当なもの。「オレはきちんと歯ブラシをしているから大丈夫」と思っていてもやられるのが歯周病の怖さなのだ。
「ブラッシングだけでは歯周病は防ぎきれません。歯ブラシは歯の表面は磨けても、歯の間は十分に磨けない。つまり、歯の間にいる“歯周病菌”は落ちにくいのです」と、歯周病などの治療に定評がある「もろずみ歯科」(神奈川県)の両角旦院長も言う。
 そこでプラスしたいのが歯間ブラシやデンタルフロス。未経験者はもちろん、経験者も今まで以上に賢く使いこなせる方法を、同歯科の井上美怜歯科衛生士に聞いた。
「40歳以上ならまず歯間ブラシをお勧めします。たいてい歯周病を発症しているため、歯と歯の隙間(すきま)が大きくなっています。デンタルフロスだけでは汚れが落ちきらないので、どちらか一方を選ぶなら、歯間ブラシがいいのです」
 歯間ブラシにはさまざまなサイズがある。一番小さいサイズから順に試し、ピッタリのサイズを探す。痛みがなく、ブラシが無理なく入るものだ。
「ブラシを上下に動かせるようなら小さすぎです」
 最初は鏡を見ながら。歯にこすりつけるような感じでやるのがポイントだ。力を入れすぎると歯ぐきに傷がつくので丁寧に。
「×を書くイメージです(イラスト参照)。手前方向に斜めに引き、そして奥に斜めに押す。歯と歯の間には、歯の側面が2つあります。一方の歯を磨いたら、もう一方の歯も磨く。内側も忘れずにやります。まず、ブラシの先をのどに向けて歯の外側を磨き、次に手をかえして歯の内側も磨くのです。ブラシは歯の外側を向く感じです」
 汚れが歯間ブラシに付くので、水で洗うか、ティッシュで拭き取りながらやる。
 目安は毎日夜に1回。面倒だからと、歯を数本ずつ磨くのは駄目。
「磨いていない歯に菌が存在するからです。酔っぱらってそのまま寝たときなどは翌朝にやる。それができなければ1週間に1回でも、1カ月に1回でもいい。やり続けることが大事です」

 歯間ブラシをしてから、歯ブラシをする。ただ、歯周病などで炎症が起きているときは、歯ブラシだけで優しく磨き、炎症が治まったら歯間ブラシを使う。よく「歯間ブラシを使うときは、研磨剤が入っていない歯磨き剤を使った方がいい」というが、井上氏によると「経験上どちらでも大丈夫」とのこと。ちなみに、歯間ブラシの“替えどき”は、ブラシのヘッドが折れたときだ。
 歯間ブラシを使いこなせ、さらに余裕があるときはデンタルフロスも使う。
「30センチに切ったフロスを左(右)指に2、3周巻き、右(左)指に長く巻く。左指と右指の間のフロスは2センチほどが目安。歯間を磨いて汚れたらどんどん左指に巻いていき、右指に巻いたきれいなフロスで磨いていく。歯間ブラシの使い方と同じで、歯と歯の側面の一方の汚れをこすり落とすように磨いたら、もう一方の側面も同様に磨きます。フロスを勢いよく歯ぐきの間に入れると、歯ぐきが傷つくので気をつけてください」
 デンタルフロスもタイプはさまざま。最初はワックスが塗られたタイプが使いやすい。柄付きもいいが、指先の感覚で調整しながらやった方が、歯ぐきを傷つけるのを防ぎやすいという。
「歯周病は糖尿病や動脈硬化など重大病のリスクも高めます。毎日のケアが大事です」とは、前出の両角院長。今日から始めようではないか。

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