糖尿病、高血圧、がんが減少 歩く工夫でビックリ効果


「運動は体にいいが、時間がない」と開き直っている人は、東京ガスの「歩け歩け運動」の成果を知ればヤル気がわいてくるのではないか。日常生活にウオーキングを取り入れることで、社員の糖尿病や高血圧、がんが減少。会社が支払う医療費なども推定で年10億円減ったという。社員や会社は一体どんな工夫をしているのか。

「健康づくりの運動で大切なのは体内に酸素を取り込む能力を高めること。それにはウオーキングが最適です」
 こう断言するのは東京ガスの「健康開発センター」の澤田亨課長だ。同社では1980年から毎年、全社員の体力測定を行っている。そのデータを分析したところ、驚くべき結果が出たという。
「体力測定自転車を8分間漕ぎ、その間の脈を測ることで、最大酸素摂取量を推定。これを高い順に5グループに分け、健康診断で判明した糖尿病社員と突き合わせたところ、最大酸素摂取量が一番高いグループは、最も低いグループに比べ糖尿病の発症率が0.56倍と著しく低いことがわかったのです。同様に高血圧は0.53倍、がんも0.5倍でした」(澤田氏)
 最大酸素摂取量は体力の指標とされ、その値により体力年齢が厚生労働省により定められている。
 つまり、この基準をクリアし、常に実年齢より体力年齢が若くなるように努めれば、病気になりにくいということだ。
 自分の体力年齢を知るには、大手フィットネスジムや一部の公共スポーツセンターに置いてある体力測定自転車を利用すればいい。電話で問い合わせれば、使用できるか否かを教えてくれるはずだ。その結果を比べれば、その時点での自分の体力年齢がわかる。
 では、東京ガスの社員たちは、どんな工夫をしてウオーキングを続け、生活習慣病から逃れているのか。複数の社員に聞いてみた。これは中高年サラリーマンに非常に参考になる。

●飲み会は会社から歩いて1時間以上かかる場所でやる
「職場で定期的に行っています。その日は集合時間の1時間半前に会社を出て、会場に向かう。体を動かすのは楽しいし、ウオーキング後のビールもうまい」

●週1回の「歩く日」
 職場によっては、曜日を決めて、最寄りの駅から職場まで全員で歩いている。
「さまざまな歩行ルートが職場の入り口に張ってあり、それを参考にして歩きます。知らない道もあるし、楽しいですよ」

●東海道五十三次ラリー
 万歩計を使った職場や個人での“対抗戦”は頻繁に行われているが、これは会社全体で行う。社内ネットで参加者を公募、各自ニックネームをつけて一定期間の歩数を競う。社内ネット上には東海道五十三次の図があり、各自1日の歩数を自己申告で書き込む。
「賞金や賞品は出ませんが、遊び感覚で健康づくりができるのでヤル気になります」

●エレベーター禁止
「駅でもエスカレーターは使いません。最初は息切れしましたが、今は平気。息切れすれば体調不良ということで、体調のバロメーターにしています」

 サラリーマンの生き残りにも大きく影響する体力年齢。これを若く保つには、歩くこと。東京ガスを参考に、チャレンジしてみようではないか。

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