今年の夏は大流行南インド料理で乗り切る

「北」よりアッサリで健康的


ドーサ
「夏といえばカレー!」という人は多い。食欲増進、スタミナアップ、疲労回復など、さまざまな効果があり、それがバテやすい夏にいいといわれている。
 今年の夏はさらに一歩踏み込んだ、“スペシャルカレー”を食べようではないか。なかでもイチ押しなのが、いま大流行の南インド料理だ。いうまでもなく、インドはカレーの本場。とくに「南」は健康効果が高いことなどから、注目を集めているのだ。そこで、南インド料理のあれこれを、南インドのケーララ州出身のアナンダ・ダスさんに聞いた。
「インドは非常に広大で、気候も各地によってまったく違うし、複数の宗教があります。だから、地方によって食べている物がまったく違う。しかし、南方と北方に分けると、それぞれの大きな特徴が見られます」
 アナンダさんによれば、「カレー+ナン」は、一般的に北インドで食べられているスタイル。
「ナンにはたくさんのバターや油が使われています。カレーなどの料理も、北部では濃い肉汁で味付けされたものが多く、バター、ミルク、生クリーム、チーズがよく使われます」
 一方、南インドではナンはあまり食べない。ご飯にサラサラしたカレーをかけて食べるのが“南部スタイル”だ。バターや生クリーム、チーズ、ミルクはほとんど使わない。
「主に油は植物性のココナツ油を用います。タマリンドという、酸味の強い果物もよく料理に使われる。クミン、ウコン、チリコショウ、赤や緑のコショウ、シナモン、コリアンダー、ミントなどスパイスを多用するのも特徴です。私の実家では常に15種類ほどのスパイスが置いてありましたし、私も日本に来るとき9種類ほどインドから持ってきました。南インドの料理では、日本のスーパーなどで売っているスパイス瓶の大きさなら、3〜4日で使い切ってしまうほど、たくさんスパイスを使います」
 簡単にいえば、“コッテリ系”が北インド、“アッサリ系”が南インド。さらに「南インドにはベジタリアンが多く、野菜や豆をメーンにしたカレーも多い」とのこと。動物性食品を控え、野菜や豆を多く取った方がいい日本の中高年には、まさにピッタリだ。スパイス多用で健康効果がよりアップ、というプラスアルファもある。

 では、中高年に特におすすめのメニューを紹介しよう。
 まずはラッサムだ。
「辛くて酸っぱいスープです。日常的によく食べられているスープです」
 食べると、酸味と辛味で食欲が出て、疲労回復もバッチリだった。
「豆と野菜が入ったカレーのサンバルもおすすめです。ラッサムと一緒に、昼食に取ることが多い」
 記者が食べたものには、ナスと小さな豆が入っていた。辛くなく、“インドのみそ汁”といった感じか。
 ライタもいい。ヨーグルトにキュウリなどの野菜が入ったサラダだ。
“超初心者”には、ラッサムやサンバルなど、南インドの名物料理がセットになったミールス(南インドの定食)がいい。
 酒のつまみには、つぶした豆をドーナツのように揚げた「ワダ」、米と豆をつぶして発酵させクレープ状に焼いた「ドーサ」など。どちらも肉は使っていないのに、食べ応え十分でおいしい。
 最後に、インド式の食べ方は――。
「カレーのような体を熱くし興奮させるものを食べたら、必ずヨーグルトのような体を冷やし静めるものを食べる。食事の合間にはチャツネ(果物やハーブで作られたジャムのようなもの)を食べて、代謝を良くする」
 南インド料理の専門店もいくつかある。今年の夏はドンと来いだ!

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