視力を「レーシック手術」で回復


 視力回復手術を受ける中高年が増えている。「年をとってからのコンタクトレンズは負担だ」「大震災が来たときメガネが探せなかったら逃げられない」など理由はさまざまだが、目の手術だけに不安は残る。レーシック手術を受けたというノンフィクションライター・森功氏(45)の体験リポートをお届けする。

●以外に安かった手術費用
 昨年のこと――。都内でタクシーに乗って、ふと前の座席の背もたれのチラシ広告を手に取った。
〈エキシマレーザーで近視は治る。○×クリニック〉
 眼科クリニックのキャッチコピーだ。そういえば以前、高校時代の友人がメキシコで近眼の手術を受けたと話していた。レーザーで角膜を削って視力を取り戻すというレーシック手術である。
 広告には、50代のプロゴルファーや20代の女姓格闘家の体験談が掲載されている。あのタイガー・ウッズがグリーンの芝目を読むためにこの手術を受けたとも聞いた。
〈今なら両目で50万円のところを20万円。70万円のウルトラレーシックでも25万円〉
 チラシにはそんな調子の宣伝文句が書かれていた。以前に片目で50万円という話をしていた知り合いのファッションモデルもいたが、半値どころか4分の1。ついその安さにつられ、さっそく翌日、○×クリニックに電話をかけてみた。
「レーシック手術は、検査を受けていただいてからでないと受けられません」
 検査は無料というので、取りあえず受けた。角膜の厚さの関係で、10人に1人くらいは手術を受けられないらしい。結果は合格。両目とも0.07程度の視力しかないけれど、中程度の近眼という診断。問題ないそうだ。

●手術は15分足らずで終了
 2週間コンタクトレンズの装着をやめ、手術日を迎えた。Tシャツの上から割烹着みたいな手術用の白衣を着せられる。そのまま明るいクリーンルームへ通され、手術台に横たわるよう指示される。若い女医と助手が2人。
「片目ずつ、10分で済みますからね」
 執刀する女医がやさしく声をかけてくれた。まばたきをしないよう、まぶたを機械で開かされたまま固定される。両肩を助手が押さえていた。ビートルズのBGMが流れているなと思ったら、いきなりレーザーが当てられる。ガー、ガー、激しい音。目の前が真っ白になる。
「はい、終わりました」と声をかけられ、ほとんど目を見はったまま、薄暗い休憩室へ案内された。リクライニングソファに腰掛けて1時間。
「目を開けていいですよ」
 そう言われ、ゆっくり目を開けると、目の前に若くてきれいな看護師。麻酔が効いているのでさほど痛くもない。専用の防護サングラスをつけ、タクシーで帰宅。車中から遠くの看板を見ると、ナント細かい文字が読めるではないか。明らかに視力が上がっている。翌日の検査では両目の視力が1.5、1週間後には実に2.0になっていた。
 時間にして15分足らずのレーザー施術。料金はさらに1万円の割引があり、19万円なり。

●老眼進み新聞が読みにくく
「怖くなかったか」
 とよく聞かれる。が、旧友から体験談を聞かされていたのでそれほど不安はなかった。50万円なら二の足を踏んでいただろうけれど、19万円ならコンタクト代の3年分程度である。多少ドライアイは残っているが、それほど気にならない。悩みは一気に老眼が進み、新聞が読みづらくなったことくらいか。

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