血液のドロドロ度を下げる食べ物

3つのタイプで違う

 心筋梗塞や脳卒中の原因がドロドロ血液にあることは知っていても、それが3つのタイプに分かれることはご存じないのではないか。効果的な対策を実行するためには、まずこれを知る必要があるのだ。自分のドロドロ血はどのタイプで、どうすればサラサラに変わるのか。東京女子医大教授で、同大の特定関連診療所である「戸塚ロイヤルクリニック」所長の栗原毅氏に聞いた。

「3タイプとは、糖分の取り過ぎで赤血球の膜が柔軟性を失い赤血球が毛細血管を通過できなくなる『ネバネバ系』、寝不足や疲労で活性化した白血球がくっつく『ベタベタ系』、アルコールの飲み過ぎなどで血小板が集まりやすくなる『ザラザラ系』です」
 職種でいえば、デスクワーク中心で運動不足気味の経理マンは「ネバネバ系」、深夜勤務中心でストレスが多い看護師やタクシー運転手は「ベタベタ系」、接待が多い商社マンは「ザラザラ系」が多いという。
自分はどのタイプのドロドロ血かをチェックしてみよう。
 もちろん睡眠タップリ、ストレスなしの規則正しい生活に変えられるなら、ドロドロ血もサラサラになっていくだろうが、このご時世のサラリーマンにはとても無理。そこで、誰でもできる現実的な解決策として専門家がすすめるのが「食生活を変えること」だ。
「ネバネバ系は赤血球の膜を柔軟にする黒酢や青魚、ベタベタ系は抗酸化作用のあるトマトやブロッコリー、ザラザラ系は血栓を溶かす納豆などを取るといいでしょう」

 問題はこれらをどうやって取るかだ。管理栄養士の池上保子氏は、手軽にできる「サワー」と「丼物」がイチ押しだという。その作り方は――。

●ネバネバ系
「ドロドロ血液のどのタイプも黒酢入りのサワーが基本で、ネバネバ系は青梅をすりおろし長時間煮つめた梅肉エキスを加えると効果的です」
 キムチは血液の酸性化を防ぎ、アジなど青魚は赤血球の膜をしなやかに保つ働きがある。

●ベタベタ系
「トマトには抗酸化色素である『リコペン』が多く、ストレスや寝不足の解消にうってつけです」 マグロはコレステロールを下げ、アボカドは脂溶性のビタミンEが多い。

●ザラザラ系
「にんじんはβ―カロテンが多い。これは体内に取り込まれるとビタミンAに変わり、抵抗力や抗酸化力をアップさせます。しかし、人によっては飲みにくいので、おろしりんごを加えます」
 オクラ納豆丼の納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」は、血栓を防ぐ力が強く、オクラを混ぜることで、それがさらに高まる。
 サワーは市販の黒酢と野菜ジュースで作れるし、丼物も基本はご飯に食材を載せるだけ。簡単だ。これであなたの血のドロドロ度も、ぐーんと下がるはずだ。

●ドロドロ血のタイプ判定表
《ネバネバ度の強い人》
●血糖値が高め
●甘い物をよく食べる
●意欲がわかず倦怠感も強い
《ベタベタ度の強い人》
●ストレス発散が苦手
●慢性的に疲れている
●たばこを1日10本以上吸う
《ザラザラ度の強い人》
●中性脂肪値が高め
●間食や夜食をよくとる
●食べるのが早い

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