W杯期間中も安心 理想の夜食

胃もたれせず太りにくくて満腹感も十分!

 サッカーワールドカップの開幕が9日後に迫った。決勝戦までの1カ月は、普段はやらない深夜の飲み食い連チャンは必至。これをどう乗り切るか。調子に乗って食べ過ぎると、胃がもたれるし、何より太る。そうならずに済む“理想の夜食”を紹介しよう。

 横浜創英短大の則岡孝子教授(栄養学)が言う。
「一般的に夜間は自律神経の関係で消化力が弱まって、吸収力が強まります。弱い消化力でも消化できて、さっと吸収できるものなら、胃腸の負担になりません。簡単に消化できる食材で調理することが、胃もたれを防ぐコツです」
 そこで則岡教授のお薦めメニューが2つ。まず「豆腐の卵とじ」。(1)だし汁大さじ4、しょうゆ大さじ1、みりん大さじ1を合わせて、適当な大きさに切った豆腐1丁と煮立てる(2)溶き卵を回し入れ、半熟でとじれば出来上がりだ。
 記者が試してみたら、たった2分で完成。これならハーフタイム中でも作れる。腹持ちがよく、満腹感も十分だった。
 2つ目が「野菜の網焼き」。グリーンアスパラ6本、シメジ1パック、エノキ1パックを適当な大きさに切って焼くだけ。酢じょうゆで食べるとサッパリ。ピーマンやシシトウを加えてもおいしそうだ。
「一般的に刺激物や脂肪分の多い肉、塩分や甘味の強いものは、胃腸の負担になり、夜食には不適当です」(則岡教授)
 どうしても肉を食べたい人は、湯通しして脂肪分を落とし、繊維質の多い野菜と一緒に食べること。これなら繊維質が脂肪や糖分の吸収を抑えてくれる。

 では、太らない夜食はどうか?
「あらかじめ夜食を食べることが分かっているときは、“夕飯+夜食”で1食分と考え、夕飯と夜食を3対1の割合で食べれば問題ありません。成人男性の1日の必要摂取カロリーが2500キロカロリーで、1食当たり約800キロカロリーですから、夜食分は200キロカロリー以下が目安です」(フードコンサルタント・飯塚律子氏)
 200キロカロリーというと、茶碗(ちゃわん)にご飯1杯分ほどだが、意外にもこれで満腹感のあるメニューができる。飯塚氏のお薦めは「モズクがゆ」だ。
「白がゆにモズクを加えるだけです。モズクなどの海藻は食物繊維が豊富で、腹持ちがいい。好みで梅干しをちらしてもおいしいですよ」(飯塚氏)
 炭水化物を取るときは、ご飯よりもうどんやそばの方が消化にいい。ご飯の場合は、おかゆやリゾットなどにすると胃腸の負担が少なくなる。
「月見にゅうめん」も捨てがたい。温めた市販のめんつゆに、茹でたそうめんを加えて、卵を落とすだけだ。
 肥満対策を考えると、1玉で2人分にするといいが、それでも気になる人には“奥の手”が。
「夜食にレモン果汁をかけるのです。エリオシトリンというポリフェノールが腸での脂肪吸収を抑制してくれます」(管理栄養士・林かおり氏)
 一見、レモンの酸味と合わないメニューでも、味が変わらない程度に垂らすといいという。

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