ひと味違う 抗加齢ドック・体内IDドック


●抗加齢ドック
 体の“老化度”を調べ、脳や心臓疾患の予防に役立てる“抗加齢ドック”を行う医療機関が全国に増えている。今月22日には東海大医学部付属東京病院(渋谷区)が、大学病院では2例目の「抗加齢ドック」を開設する。
「実年齢と比べて、体がどのくらい老化しているかを調べ、心筋梗塞や脳血管障害などになるリスクを軽度・中度・高度で提示し、病気予防に役立てます。全年齢が対象ですが、団塊世代を中心とした50代以上がメーンターゲットです」(同病院)
 所要時間は約2時間で、費用は8万8200円から(保険対象外)。
 この抗加齢ドックを5年前から始めた草分けが、高輪メディカルクリニック(港区)だ。同クリニックの「健康寿命ドック」は、受診者1000人以上の実績を持ち、東海大東京病院もそのノウハウを採用している。久保明院長が言う。
「検査項目が決まりきった従来のドックに不満を持つ方が結構多いんです。そうしたニーズに応え、健やかに年を重ねる手助けをするのが、このドックの目的。活性酸素による障害度、ビタミン濃度、血管の硬化度、免疫力と関係するNK細胞活性など、検査項目は100以上。7〜8割は普通の人間ドックでは調べない項目です。これで体の老化度と病気にかかるリスクを判定し、アフターケアまで行います」
 受診者は結果が出る約6週間後に、病気を予防するための食事や運動、マッサージ、サプリメントなどの指導を受け、コンサルティングの様子を収めた15分ほどのビデオまでもらえるという。
「今月下旬から、CTなど新たな装置を導入し、内容をリニューアルします。心筋梗塞などのリスクをみる遺伝子診断や心臓の血管状態チェックを加え、より詳しく“病気リスク”を判定できるようになります」(久保院長)
 ただし、費用は標準コースで21万円と高い。
「それでも、健康への投資を惜しまない人が多く、新コース開始前からかなり申し込みが入っています」(久保院長)
 都内で抗加齢ドックを受けられる医療施設は数カ所あり、料金は安いコースで5万円前後から。

●体内IDドック
 銀座の「インプルーヴ インテグラシークリニック」は、“体質”が分かる「体内IDドック」(3万1500円)を実施している。ヨーロッパの自然医学に基づく統合自然療法「インテグラシー」をベースに、一人ひとり異なる細胞の個人情報「体内ID」を解明するもの。チーフインテグレーターの渡部仁志氏が言う。
「受診者はまず生活習慣や健康状態などの問診票に記入し、カウンセリングを受けた後、7項目の検査をします。筋肉量や骨量、内臓脂肪量などを測る体組成検査、尿検査、血球測定、姿勢分析、自律神経検査、筋肉チェック、そして対応筋チェックです」
 この対応筋チェックが、IDドックならではのメニューなのだ。
「臓器やその周辺の筋肉は、神経を通じて手足の筋肉とつながっていて、臓器の状態が悪いと、連動して手足の筋肉の動きが悪くなります。その反応によって、臓器の状態を調べるのが、対応筋チェックです」(渡部氏)
 たとえば写真1。足を浮かして外側に開く動きで、大腸の状態が、逆に内側への動きで、腎臓の状態が分かる。
 写真2のポーズは十二指腸を調べるものだ。
 ドックは90分で終了。2週間後にクリニックで「体内ID報告書」が渡され、生活習慣のアドバイスが受けられる。
 30代のSさんは170センチ、67キロと、やや肥満気味。アドバイス通りの生活を心掛けただけで、8カ月で10キロの減量に成功したという。
「“ランチは必ず鶏の空揚げ弁当”を選ぶほどの鶏肉好きなのに、胃酸が少なく、体質的には鶏肉など肉類は避けるべき食材ということが分かったのです。ただ、比較的胃の負担が少ないハムやベーコンなどの薫製はOKで、鶏肉からハムやベーコンに切り替え、勧められた野菜と果物を取るようにしました。神経と筋肉の状態から『運動はストレッチでいい』という結果も出たので、運動はラジオ体操程度のストレッチしかしていません。なのに10キロ減ですから、正直驚いています」(Sさん)
 報告書は、日常的に口にする食材が、「効果的」「避けるべき」「問題なし」の3つに分類されるほか、不足しやすい栄養素、引き起こしやすい病気などにまとめられる。驚くほど細かい内容だ。
 体質に合う食材、合わない食材、運動の向き不向きなどを知ることで、病気予防になること間違いなしだ。

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