中性脂肪を下げる徹底裏ワザ

メタボリック症候群対策第2弾

 いま注目のメタボリック(内臓脂肪)症候群の対策シリーズ第1弾は「血糖値を徹底的に下げる裏ワザ」(6月15日付)。きょうはその第2弾「中性脂肪下げる徹底裏ワザ」だ。まずはできることから始め、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げよう!

★5種類の野菜を食べる
 カイワレ大根、ショウガ、トマト、ミニトマト、赤ピーマンの5つを積極的に食べることだ。昭和女子大学生活科学科の中津川研一教授が言う。
「血中の中性脂肪を減らす方法は2つあります。ひとつは体脂肪を燃やすこと。もうひとつは腸から吸収される脂肪の量を減らすことです。前者は運動が必要で続けるのが大変ですが、後者なら比較的楽にやれます」
 具体的な方法はこうだ。
「中性脂肪は脂肪分解酵素リパーゼによって分解されてから腸で吸収されます。このリパーゼの働きを阻害し、分解を起こさないようにすれば、いくら脂肪があっても腸から吸収されない。ある実験で40種類の野菜を調べたら、冒頭に挙げた5種類の野菜にリパーゼ阻害作用があることが分かったのです」(中津川氏)
 加熱しても生のまま食べても大丈夫だ。

★キノコ類ならキクラゲ
 前出の実験でキノコ9種類を調べて“有効”だったのはキクラゲ。
「エリンギにもリパーゼ阻害作用が見られましたが、生食に限られ、加熱すると作用が失われます」(中津川氏)

★香辛料を活用する
 シナモン、カラシ、オールスパイス、チリパウダー以外の香辛料に、リパーゼ阻害作用があることも実験で分かった。唐辛子やコショウなどの香辛料をさまざまな料理に使うといい。
 栄養学博士の白鳥早奈英氏が言う。
「特に中華料理など脂っこいものを食べるときは、唐辛子をたっぷり使ったピリ辛メニューがいいでしょう。唐辛子のカプサイシン効果で中性脂肪が蓄積しにくくなります」

★サラダに気をつける
 中性脂肪を上げるのは、動物性脂肪、砂糖、アルコールなど。先のように野菜は中性脂肪対策にいいが、サラダを食べるときは要注意だ。
「油が多いドレッシングや、コレステロールが高い卵で作ったマヨネーズをたっぷりかけて食べれば、元も子もありません。お勧めはみそをちょっとつけて食べること。私自身もやっています」(白鳥氏)
 みそに含まれる大豆イソフラボンには、血中中性脂肪と体重の増加を抑制する働きがあることが、実験で証明されている。
 マヨネーズ好きは、卵を使わず豆乳で作ったマヨネーズを。自然食品店などで販売されている。

★すき焼きだけは避ける
「完全肉断ち」が無理な人も、すき焼きだけはやめた方がいい。
「動物性脂肪と砂糖は、どちらも中性脂肪を上昇させます。すき焼きは、砂糖をたっぷり使うし、肉の脂肪はあるしで、ダブルでよくないのです」(白鳥氏)
 肉料理のベストはしゃぶしゃぶ。白鳥氏の“定番”は、豚肉をサッとゆで、ポン酢をタレにしてたっぷりの野菜と一緒に食べるもの。
「これなら中性脂肪排出に役立つ食物繊維、血液サラサラ効果のある酢の両方が取れる。唐辛子をかけて食べれば“香辛料効果”も加わって、よりいいです」(白鳥氏)

★鳥肉の皮は残す
 肉を食べるときに忘れてはならないのが、もうひとつ。
「脂肪がとても多い鳥肉の皮は残しましょう」(白鳥氏)

★食後はお茶を飲む
「お茶には中性脂肪が腸から吸収されるのを抑える作用があるのです」(中津川氏)
 これで中性脂肪に勝つ。

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