腸管虚血の怖いところ

死亡率6〜8割

 橋本龍太郎元首相が先日腹痛のため都内の病院に緊急入院、大腸の大半と小腸の一部を摘出する手術を受けた。病名は「腸管虚血」とのことだが、一体どんな病気なのか。腹痛は日常よく経験する症状だけに気になる。東京都済生会中央病院・塚田信廣内科部長に聞いた。

●腸管虚血とは?
 腹部大動脈から枝分かれしている上腸間膜動脈は、小腸や大腸に血液を供給している最も重要な血管です。この血管が閉塞して、そこから先に血液が行かなくなるのが腸管虚血です。

●どんな症状が出る?
 突然の腹痛です。へその周囲からおなか全体にかけて激しく痛みます。病院で鎮痛剤を注射しても効かないような激痛です。嘔吐も起こります。

●一刻を争う病気か?
 腸管虚血が始まって10時間放置すると、腸管が壊死(えし)に陥って死につながるケースが多いのです。患者さんの訴えを聞いて腸管虚血だろうとの診断をつけ、できるだけ早く開腹して手術をしないと助からないケースが往々にしてあります。

●死亡リスクは?
 死亡率が6〜8割と、きわめて予後の悪い病気です。診断が難しいために、腸管壊死から敗血症、多臓器不全に陥って手術もできなくなり、死に至るケースが多いのです。

●見逃しやすい?
 超音波検査やCTをやっても特異的な所見に乏しいので、医者も見逃してしまうことが多いのです。急性腹症の中でも最も診断の難しい病気です。大きな病院でやっている腹部血管造影検査をやって、初めて診断がつきます。

●発症原因は? 
 多いのは上腸間膜動脈の血栓症と塞栓症です。血栓症は動脈硬化による病変から上腸間膜動脈の起始部に血栓ができて、それが血管を詰まらせます。塞栓症は心臓にできた血栓が飛んで血管を詰まらせます。

●どんな人がなりやすい?
 血栓症は、ヘビースモーク、糖尿病、高血圧、高脂血症、高齢など、動脈硬化の危険因子を多く持つ人に起こりやすい。塞栓症は心房細動などの不整脈や心臓弁膜症があって、心臓の中に血栓ができやすい人に起こりやすい。

●手術以外の治療法は?
 きわめて初期に診断がつけば、薬で血栓を溶かしたり、バルーンやステントで血行を再建したりして治療することは可能です。

 動脈硬化の危険因子を多く持っていたり、心臓病のある人が、これまでにないような激しい腹痛に襲われたら、救急車を呼んででも大きな病院の消化器内科や消化器外科に駆け込んだほうがいいという。

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