生体リズムをよくする食事のポイント

生活習慣病になりにくくなる

“生体リズムを整える食事法”が注目を集めている。簡単に健康度を上げ、病気対策に役立つというのだ。
 新潟県長岡市の立川メディカルセンター顧問で、生体リズムに詳しい田村康二医師が言う。
「生体リズムは、いまやがんなどの重大病の治療にも取り入れられるほど、医療の分野で注目されています。食事や水を飲んだり間食をしたりすることも、自分の生体リズムに合ったやり方をすると、生活習慣病などのリスクが下がり、免疫力も上がる。脳梗塞や心筋梗塞など重大病の発症予防にもなります。これは疫学調査などでも証明されています」
 そのポイントを、田村医師に聞いた。

●朝食はタンパク質中心に1000キロカロリーを取る 
 デスクワーク中心の40代サラリーマンの場合、1日の摂取カロリーの目安は2150キロカロリー。このうち半分、1000キロカロリー超分を、肉や魚、卵などタンパク質メーンの食事で朝に取るといいという。
「一般的に朝は炭水化物中心で600キロカロリーくらいがいい、といわれていますが、そうではないのです。炭水化物は2、3時間もすれば燃え切ってしまいます。しかしタンパク質はエネルギー源になり、4〜5時間はもちます。朝は1日のスタートですし、AM7起きの人は昼食まで5時間はある。すぐにエネルギー切れしてしまわないように、タンパク質をたくさん取り、1日しっかり活動できるように総摂取カロリーの半分は朝で取るようにするのです」
 1000キロカロリーというと夕食に出てくるようなメニューを考えるといい。
「朝からそんなに食べられないという人は、朝と、ちょうどエネルギーが切れかけるAM10の2回に分けて1000キロカロリー分を取るといいでしょう」

●夕食は炭水化物中心で300〜400キロカロリーに 
 朝食と同じで、デスクワーク中心の40代男性の摂取カロリーがこれ。
「夜は早めに摂取したものを燃やさなければならないので、炭水化物中心にして、1日の摂取カロリーから朝食のカロリーを引いた1000キロカロリー強のうち、3分の1程度にとどめておいた方がいい。炭水化物は血液中のカリウムを減らして脱力感と眠気をもたらすので、睡眠の質を高めます」
 めん類やご飯に野菜中心のおかずなどにしよう。

昼食に脂肪を取る
 昼は素うどんより天ぷらうどんだという。
「ホルモンや神経の働きを正常に保つのに、脂肪は不可欠です。夕食時まで活動するためには、体内で6時間以上燃える脂肪を昼食で取ること」
 豚しゃぶよりトンカツを、親子丼より天丼を。

●水をコップ3杯朝一番に飲む 
「起床後2時間以内は、心筋梗塞や脳梗塞を起こし突然死に至る人が多いのです。生体リズムの関係で、起床後は血圧が上昇し、心拍数が増加するのが理由です。水をたくさん飲んで血液の粘度を下げ、血栓をできにくくして、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げるようにしてください」

●間食はAM10過ぎに
 この目的は「心身のエネルギー切れを防ぐ」だ。
「人間の生体リズムは平均して90分間隔でリズムを取っています。AM10は仕事を始めて90分ほど経ったころ、心身のエネルギーが低下しているころなので、休息を取り、脳のエネルギー源になる糖質を取るのです。抗酸化作用が強く、体内の“サビ”を防ぐチョコレートがお勧めです」
 以上の食事ポイントを実行すれば、病気知らずだ。

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