糖尿病

2つのこと守れば何を食べても構わない


 推定患者数750万人、予備軍は約900万人いるといわれる糖尿病。「血糖値が高い」と言われたら、どのように生活改善すればいいか。保健同人事業団付属診療所の鈴木吉彦所長に聞いた。

●原因を知る
 ウイルス感染などが原因でインスリンが分泌されなくなる、いわゆる「1型」はごく少数。
「日本人の糖尿病の95%は“2型”で、肥満や過食、運動不足、ストレスなどが原因です」

●診断と重症度
「空腹時の血糖値が110mg/dl以上なら、高血糖状態といえます。110〜125の間は“境界型”と呼ばれる予備軍で、これより悪化しないよう注意を払う必要があります。126以上なら糖尿病の疑いが濃いとみなされ、状況によって食事療法、運動療法、薬物療法で血糖値のコントロールを行います」

●生活習慣改善の基本
「一番大事なのは、1日の摂取カロリーを制限すること。必要カロリー量は、BMIの標準値22から出す標準体重(身長メートル×身長メートル×22)に、25〜30キロカロリー(職種によって変わる)を掛けて算出します。例えば身長170センチで事務職なら、標準体重は約64キロ。64×25で1600キロカロリーになります。その範囲内でバランスよく食べることが重要です」
 80キロカロリーを1単位と計算し、主治医が作成する「食事指示票」に従って、食品ごとのエネルギー量などを記した本「食品交換表」と見比べながら食事内容を決めていく。
「酒は原則禁止です。運動は汗ばむ程度の早歩きなら、15分以上しないと血糖値は下がりません。毎日30分以上、通勤を利用するなどして歩いてください」

●効果を測定
 頑張って食事や酒を節制し、5分でも多く歩いた効果は、血糖値を測定して確認すること。それがやる気や生活改善の工夫につながるのだ。
 測定は、自分で指先などに針を刺して採血して、血糖値が測れる簡易血糖測定器を使えばいい。本体が1万円前後〜、1回ごとに使う測定チップは120円前後〜。
 週1日は朝、昼、夕、就寝前の4回測定しよう。

●自分流にアレンジ
「食事制限が一番苦しいと思いますが、決められた範囲内のカロリーでバランスよい食事内容なら、何を食べても構わないのです。量を減らしたり調理法を変えるなどして、改善を続けられるよう工夫してください」
 好きなものを少しだけ食べ、こんにゃくやたけのこなど低カロリー食材で腹を膨らます。マヨネーズなど高カロリーの調味料を、お酢やレモン汁に替える。そんな工夫だけでもかなり違う。
「外食の基本は“残す”です。衣やご飯を残せばとんかつ定食だって、ポテトを残せばハンバーガーだって食べても構いません。酒も、一定条件を満たせば医師が許可することがあります」
 血糖や体重のコントロールが良好、合併症がないなどの条件を満たせば、1日2単位(ビールなら中ビン1本)までなら飲んでいい。もちろん、その時は食事を2単位分減らす。酒が飲めると思えば、節制も頑張れる!

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