平石貴久氏

「医者以前の健康の常識」(講談社 1400円)

 清原和博、横綱・朝青龍などプロスポーツ選手のコンディショニング(健康管理)・ドクターとして知られる平石貴久氏が書いた、健康管理の初心者向け入門書。正しい薬の飲み方から急性症状の処置・判断法まで、今さら人に聞けない家庭医学の“超”常識総まくりがウケているのだ。

「作家の渡辺淳一さんが、医学書と普通の人をつなぐ“懸け橋”となる本だと言ってくださったんですが、まさにそれが執筆の動機。“食間”とは胃酸や胃液の分泌が減る食事終了2時間後のことなのに、勘違いして食事中に薬を服用している人もいれば、水代わりにスポーツドリンクを飲んで血糖値を乱高下させ、健康を害している人もいる。こういう、知ると知らないでは健康レベルを大きく左右するような家庭医学の基本中の基本を網羅した本です」
 収録された“超”常識は210項目。体温・血圧・脈拍の正しい測り方から薬の効果を最大限に上げる飲み方、しゃっくりやぎっくり腰など困った症状の対処・判断法、診療する科の選択、良い医者の見分け方まで、病院にかかる前に知っておきたい情報ばかりだ。
「腰痛・膝痛・肩こり・冷え性の4大持病を克服する方法やデトックス法など、体のメンテナンス方法も紹介していますが、その目的は自己免疫力を上げること。なぜなら、自己免疫力を上げることこそ幸福な人生の土台だからです」
 著者が考える幸福の条件は3つあって、健康であること、やりたいことができるだけのお金があること、自分を必要とする仕事があること。そして、この3つ全部の鍵を握るのが自己免疫力だという。
「僕は年間に1万人のスポーツ選手を診ていて、その中には金メダリストもたくさんいる。そういう経験から言えることですが、免疫力と勝負強さ、運気は密接につながっています。自己免疫力が高い人は健康で勝負事に強く、仕事もうまくいくから成功しやすい。つまり、自己免疫力こそ幸福の土台なんです。本書はそれをいかに高め、キープするかについて書いた“超”入門書。健康と開運のために、ぜひ役立てて欲しいですね(笑い)」

◆平石貴久〈ひらいし・たかひさ〉 1950年生まれ。慈恵医大卒。医療法人社団「貴生会」理事長、東京六本木・平石クリニック院長。「食べて肉体改造」「勝つためのレシピ」など著書多数。

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