あなたは職場高血圧ではないか?

健診では正常血圧だから気にせず放置し突然死という怖さ

 最近、注目を集めているのが「職場高血圧」だ。健康診断では正常血圧なのに、仕事中に測定すると明らかに高血圧の数値を示す。主な原因は仕事のストレスだが、「5年続くと突然死のリスクがかなり高くなる」と、職場高血圧に詳しい東京都老人医療センター・桑島巌副院長は警告する。一体どういう人がヤバイのか? 桑島氏に聞いた。

 健診などで「高血圧」と診断されるのは、収縮期血圧140mmHg、拡張期血圧90mmHg以上。しかし桑島氏が昨年2月に60代を対象に調査したところ、正常血圧の人の4割が「職場高血圧」だったというのだ。
「そこで対象を広げて、20代以上の事務系職員265人に職場で血圧を測ってもらいました。すると職場高血圧の人が23%いたのです。その後も調査を続行していますが、3割以上が職場高血圧という職場もあり、血圧が40〜50上昇している人もいました」
“本当の高血圧”と比べて厄介なのは、職場高血圧は健診では正常なので、高血圧の自覚がなく、何の対策も講じていないこと。だからこそ、より“危険度”が高い。
「“仕事中だけ”とはいえ、高血圧の時間が1日の3分の1以上を占めるので、ほっておけば確実に動脈硬化が進行します。脳梗塞などの脳血管障害、心筋梗塞などの心疾患を起こし、突然死に至る可能性が高くなります」
 40代のKさんは身長172センチ、体重80キロ。父親は血圧が高めだったが、Kさん自身は135/85の正常血圧を保っていた。その安心から喫煙や外食中心の生活を変えずにいたが、あるとき仕事中に脳卒中を起こして病院に運ばれた。結局、助からなかった。
「Kさんが太め、父親が血圧高め、喫煙や外食中心の生活といったことから、かなりの高い確率で、職場高血圧だったと思います」
 これが職場高血圧の怖さだ。では、あなたはどうか? 当てはまるものの合計点数によって、自分の危険度がわかる。

【職場高血圧チェックリスト】
★12点(1個=以下同じ)
 ・たばこを吸う
 ・高血圧ではないが、健診の血圧が135/80前後
★8点
 ・45歳以上だ
 ・太っている
 ・塩分の多い食事が好き
 ・両親のどちらか、あるいは両方が高血圧
★6点
 ・週に2回以上、自宅以外で酒を飲む
 ・家庭に居場所がない
 ・外食が中心だ
★4点
 ・運動はほとんどしない
 ・脂っこいものが好き
 ・出世競争が激しい
 ・部下が仕事ができずにイラつくことが多い
 ・残業や休日出勤が多い
★1点
 ・会社の業績がよくない
 ・神経質な性格だ
 ・カッとしやすい
 ・上司と性格が合わない
 ・クヨクヨと悩むタイプだ
 ・職場を出るとホッとすることが多い

●100点中45点以上
 職場高血圧の可能性大。仕事中に血圧を測定し、140/90以上ならすぐに対策を講じるべきだ。
「職場のストレスが主な原因ですが、職場をかえることは難しいし、次の職場が必ずしもいい職場とは限らない。だから、まずはやせる。塩分の摂取を減らす」
 もし、140/90未満でも“予備軍”であると意識し、やはり今日からダイエット、減塩生活を始めるべきだ。
●30〜44点
 職場高血圧予備軍。こまめに仕事中の血圧を測定し、変動をチェックすること。
●8〜29点
 まだ大丈夫だが、“予防”のためにも仕事のストレスを軽減させるための自分なりの方法を見つけよう。
●7点以下
 問題なしだ。
“職場で突然死”をしたくなかったら、まず自己チェックだ!

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