スイミンルームに行ってきた
快眠コンシェルジュが不眠解消のアドバイス
自分の“睡眠度”が点数でチェックでき、最も快適な眠りを得るための“環境”も具体的に教えてもらえ、さまざまなアドバイスもしてくれるところがあるという。日本人の5人に1人が不眠に悩んでいるといわれるだけに、興味津々。記者が体験してきた。
向かったのは、地下鉄大江戸線・汐留駅から徒歩3分の「ナショナルセンター東京」。この2階に「スイミンルーム」があって、ここで睡眠度チェックなどが受けられるのだ。
松下電工広報部の小川均氏が言う。
「2004年6月のオープン以来、数千人の方が利用されています。眠りに関する間違った知識を持っていらっしゃる方が意外に多いのですが、スイミンルームを体験することで、正しい知識を身につけられます。しかもどういった環境が眠りにいいのかを、身をもって分かるのも好評です」
早速スタートだ。まずは、「日頃の眠り実態チェック」を受ける。眠りに関する専門的な知識を身につけた「快眠コンシェルジュ」の女性から、眠りに関する31の質問を投げかけられるのだ。答えはパソコンに入力していく。
「この“日頃の眠り実態チェック”は、国立精神・神経センターの白川修一郎博士と共同研究で作ったものです」
「寝床に入ってから、眠りにつくまで20分以上かかることがある。あるいは、なかなか寝つけないことがある」といった質問に対して、「しょっちゅう」「ときどき」「たまにあるが、そんなにない」の3つの中から一番近いものを選ぶ。
質問にすべて答えると、眠りの総合点数(100点満点)と、「寝つき」「睡眠の質」「寝起き」「日中のスッキリ性」「睡眠の正常性」「睡眠習慣」の点数(各100点満点)がパソコンに表示される。これに基づき、快眠コンシェルジュが具体的なアドバイスをしてくれる。
31歳の記者の“睡眠生活”は、かなり不規則。寝るのは深夜2時前後、起床時間は朝6時ごろだが、朝方まで起きていることも多く、「睡眠時間1時間」という日もある。そんな記者の総合点数は「78点」。個別の点数では「睡眠の質」「睡眠習慣」がどちらも50点台。
「睡眠の質を高めるためには、日中と夜のメリハリをつけることが大事です。その方法として、正午から午後4時までの間に、できる限り太陽の光を浴びるようにしてください。生体エネルギーの代謝がよくなり、熟睡時に分泌されるメラトニンの分泌量が増えます。ランチは会社の外で食べる、オフィスやトイレの窓に近づく、といったちょっとしたことでも太陽の光を浴びることができます。さらに、できれば夜にウオーキングなどをして、体内温度を上げておくことも睡眠の質を高めるのに有効です」と、快眠コンシェルジュ。
以前から疑問に思っていた「寝る時間が遅いときは起床時間をずらして、毎日ある程度一定した睡眠時間を確保した方がいいのか?」という質問もぶつけてみた。答えはノー。質の高い睡眠のためには、起床時間を同じにすることが何よりも大切とのこと。
ここまでで約30分。あとは温度、湿度、照明、ベッド、音楽など、睡眠環境をベストに整えた部屋で、20分間実際に眠る。
「寝る数時間前は白熱灯の白い光ではなく赤っぽい光にし、あまり部屋を明るくし過ぎない方がいいです」(快眠コンシェルジュ)
全部で1時間ほど。眠りがどうなのかを客観的に知ることができ、自分に合ったアドバイスが受けられるので、思っていた以上に役に立った。要予約で2000円と有料だが、この内容でこの値段は安いかもしれない。
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