ノッポさんを直撃 若さの秘密は?

71歳で歌って踊って跳びはねる


「ノッポさん」と聞くと、“懐かしい!”と思う人が多いのでは? ノッポさんは「できるかな」(NHK1970〜90年放送)で特徴ある帽子をかぶってパントマイムをしていた、あのノッポの男性だ。
 そのノッポさんこと高見映氏が歌う「グラスホッパー物語」が大ヒット中なのだ。NHK「みんなのうた」(http://www.nhk.or.jp/minna/)で12月に放映された途端、リクエストが殺到し、番組初の4カ月連続放映。歴代の曲中、第2位の人気だという。高見氏はバッタの扮装で歌い、踊っているが、とても71歳とは思えない若々しさ、元気さ。何か秘密があるのだろうか――。
 181センチ、65.5キロ、体脂肪率12%。40代後半に2キロ太ったのを除くと、30年近く体形が変わらない。その秘訣は朝にある。
「起きてズボンをはいてベルトを締めるとき、ベルトが少しきつかったら“少しきつい”と意識する。一瞬でもそう思うことで、食事をするときに無意識に“これくらいにしておこう”と、ピタリと箸(はし)が止まる。だって、この身長と体重は“ノッポさん”なら当然の体形。お腹が出ていたらみっともない」
 わざわざ体重計に乗らなくても、ベルトの“きつさ具合”で、毎日食生活を“調整”するので、ほんのちょっとの努力でOKなのだ。高見氏のように“ピタリと箸が止まる”まではいかなくても、これなら真似ができる。
 ちなみに高見氏の食生活は“好きなものを食べる”が基本。
「だいたい朝昼兼用の食事と、夕食の1日2食です。肉が好きで、たとえば先日は朝昼兼用にシーザーサラダ、ハンブルクステーキ、コロッケ2個、ご飯、オレンジジュース。夜は納豆、ポークソテー、みそ汁、酢の物でした」
 ただし、間食はしない。
「昼近くに起きて、就寝は朝4時近くですが、1日2食以外は飲み物だけで、何も食べません」
 当然“夜食にラーメン”なんてことは皆無。間食ゼロもポイントなのだ。

 高見氏は時折ジムに通っているが、それよりサラリーマンが見習いたいのは、日頃の動き方だ。
「歩くとき、移動するときなど、日頃からササッと動く。モタモタしない。たいていエスカレーターを使わず階段を上ります」
 この積み重ねが大きい。周囲の人も高見氏を「まるで子供のようにいつも動いている」と話す。
 さらに普段は温厚な高見氏だが、時々「ライオンのように」(周囲の評)激しく怒るという。これも“若さ”のもとだ。
「一度、激しく怒った後、よく行くレストランに行ったら、“今日は目がキラキラしていつもより若く見えますよ。何かあったのですか?”と聞かれたことがありました」
 怒りや不満をため込み過ぎないことがいいのだ。
 そして「これがとても大事」と高見氏が言うのは、「最初からできないと思わないこと」。
「失敗したら、そのときはそのとき。よく“年だから(新しいことに)挑戦できない”と言う人がいますが、何もしなければしないまま衰えていく一方。やったらやった分だけ、自分のためになる。これは40代、50代の中年の人も同じですよ」
 こう話す高見氏は、今大ヒット中の「グラスホッパー物語」が71歳にしての歌手デビューだ。
 見習って若さを保とうではないか。

●高見映 1934年5月生まれ。「グラスホッパー物語」は作詞、振り付けも担当。放送後、最初の1カ月で22万件のリクエストが寄せられた。今年1月にCD・DVD化、絵本化も決定。


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