体にプラスの3つの新成分

サプリや飲料も出てきた

 健康情報に敏感な人の間で、“新成分”が話題になっている。「わさびスルフィニル」「ミラクリン」「植物性乳酸菌」の3つだ。これらの成分の健康効果が実験などで明らかになり、関連商品も販売され始めている。体にプラスになり、話題にもできるこの3つの新成分、一体どういう働きをするのかを聞いた。

 わさびの根茎部分に含まれる成分だ。血小板凝集を抑制し、血栓ができるのを防いで血液をサラサラにする効果があるとして、大注目されている。世界で初めてわさびスルフィニルのサプリを開発した「金印」(www.kinjirushi.co.jp/)担当者が言う。
「東海学園大学の西堀すき江教授との共同研究で、5グラムのわさびを取ると、1時間後には被験者14人中13人の血流が平均27%改善されました。わさびの血液サラサラ効果は野菜の中でもトップクラスで、タマネギと並ぶ高さであることも実験結果で出ています」
 この血液サラサラに深く関係しているのが、わさびスルフィニルなのだ。
 残念ながら、わさびスルフィニルの効果は“チューブ入り”では得られず、本わさびをすりおろしたものでないと駄目。おまけに、血液サラサラにいいとされる量「5グラム」はかなりの量なので、毎日摂取は難しい。サプリとの併用が手だ。

 西アフリカ産の植物「ミラクルフルーツ」の赤い果実に含まれる成分で、タンパク質の一種だ。酸っぱいものが甘くなる。この研究の第一人者である味覚修飾植物研究家の島村光治氏が説明する。
「ミラクルフルーツをかむと、ミラクリンが舌の甘味の受容体に付着します。そこに酸が来たときだけ、ミラクリンが酸と結合して甘味の受容体を強く刺激し、酸味を甘いと感じるようになります」
 記者も試したが、酸っぱくて飲めない砂糖なしのレモン汁が、砂糖入りのレモンジュースの味になって驚いた。疲労回復や血液サラサラ効果など、高い健康効果を持つ酸っぱいクエン酸も無理なく多量に摂取できるのもいい。ちなみに、酸味以外の味には影響しない。
 専門家の間でも、糖の摂取が制限される糖尿病の患者に役立つのではと注目されている。実際に糖尿病患者がミラクリンの活用でラクに糖の摂取を減らすことができ、血糖値の低下につながったという報告もあるのだ。
「ミラクリンは舌に付いてからすぐに効果を発揮し、一般的に30分〜1時間効果が持続します」
 ミラクルフルーツは劣化が早く、流通が難しかったが、島村氏と台湾企業との共同開発で、ミラクリンのタブレット化と長期保存化に成功。「大西克商会」(www.miracle-fruit.net/)から販売されている。

 ヨーグルトやチーズに含まれている乳酸菌は動物性。一方、いま関心が高まっているのが漬物やみそなどに含まれる植物性乳酸菌だ。その一種、ラブレ菌の研究を行う「カゴメ」(www.kagome.co.jp/)担当者が言う。
「植物性乳酸菌は胃液や腸液に強いので、生きたまま腸に届き、腸内で長時間生き続けるのが特徴です。非常に多くの種類がありますが、その中でもラブレ菌の腸内生存率の高さがずばぬけていて、実験では動物性より10〜100倍以上高かった。ラブレ菌がウイルスなどの感染から身を守るインターフェロンの産生を高め、NK細胞を活性化させて、免疫力を高めるという結果も出ています」
 ラブレ菌が含まれているのは、食品では京漬物の「すぐき漬け」だ。健康維持にいいとされるラブレ菌100億個以上が一度に取れる飲料も3月半ばにカゴメから全国発売される。
 3つの成分をしっかり頭に刻み込もう。


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