不眠の原因は重いフトンだった?!
なぜよく眠れないのかを追究
「最近、眠れない」と話すのは40代のSさん。連れのKさんが「私も睡眠薬の世話になったことがあるよ」と明かしましたが、Sさんは「酔っぱらって一気に寝るのが一番」とピッチを速める。
2人のやりとりを聞いていたママが、「眠れないからといって深酒をするのは、アルコール依存症への第一歩。体に悪いわよ。Sさんは、寝つきが悪いの?」と質問。
Sさんが「寝つきはいいんだよ。でも、夜中に目が覚めて、そこから眠れない」と答えると、ママはこう言いました。
「不眠症の中の“早朝覚醒型”というタイプね。不眠症にはこのほかに、寝つきが悪い“入眠障害型”と、眠りが浅い“熟睡障害型”とがあるのよ。自分がどのタイプかを判断したうえで医師に相談するといいわよ」
するとKさんが「私は、入眠障害型だったよ。でも、薬に頼りたくないから運動をするようにした」と話しました。「Kさんは優等生ね。私も同じで寝つきが悪かったの。だから、リラックスできる“お香”をたいてみたの。香りで癒やされると、よく眠れることを知ったわ」とママ。
その後Sさんは、自分の不眠の原因を追究。その結果、10年近く使っているフトンが重くて、目が覚めてしまうことに気付きました。それで寝具を総取っ換え。気分も切り替わり、朝までぐっすり眠れるようになったそうです。不眠は意外と自分で解決できるもののようです。
自動車メーカーに勤める40代のMさんが、ある日水割りを飲みながら、こう嘆きました。
「私は、自他共に認める神経質でね。ベッドに入るとシーツのしわが気になって眠れないんですよ。明日着ていくスーツ、ネクタイ、靴下も決まった位置に置いておかないと眠れない。どうにかしたいと思っているけど直らないんです」
するとママは即座に「そんなきちんとしている性格なんて、うらやましいわ。直そうとするからいけないのよ。それはMさんの長所よ」と言いました。
Mさんは驚いた表情をして、「そんなこと言われたのは、初めてです。長所ってとったらなんでもないですね。ありがとう」と喜びました。それ以後、Mさんは、きちんとそろえてから眠ることが楽しいことだと考えるようになり、快適に眠れるようになったそうです。
ちょっと太り気味、50代の印刷会社課長、Nさんの不眠の原因は「昼間、仕事中に居眠りしすぎて眠れない」とのことでした。「Nさんは、無呼吸症候群よ。まずはやせなきゃだめだけど、その前に昼間、会社で20分程度の昼寝をしなさい。それと、奥さんとセックスしなさい。これで夜に睡眠が集中するわよ」とママ。
その後Nさんは、昼食後、会社近くの公園を歩いて1周してから15分間、ベンチで昼寝をするようになりました。そして、3カ月後。Nさんは「ママの言う通りにしたら、体重は4キロも減ったし、居眠りもなくなったよ。それと、セックスも定期的にするようにしたら、生活リズムが良くなった。セックスの後の心地よい眠りは最高だね」とすっきりした顔で報告に来たそうです。
薬に頼る前に、自分で解決できることはたくさんあるようです。そして、不眠解消には、自分の不眠のタイプを知り、人に相談することが近道のようです。一人で悩まないようにしてくださいね。
(ナースライター・春藤陽子)
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