“春先だるさ”と思ったら重大病だった!

急性肝炎、胃炎、糖尿病、肝硬変、うつ病…

 生体リズムがまだ春という季節に順応しきれない春先は、どうしても体がだるくなりがち。しかし春先特有のだるさと思い放っておくと、隠れた重大病を見逃してしまうことがある。だるさに潜む病気について、専門家に聞いた。

●道を歩いていても足がフラフラして雲の上を歩いているように感じるほど体がだるい
「東南アジアやインドなどから帰国して2週間以内なら、A型急性肝炎が疑われます。白目が黄色くなったり、尿が紅茶色に濃くなっていたら、黄だんが出ている証拠。一刻も早く病院に行き、肝臓の薬やビタミンを補給する点滴治療を受ける必要があります」(杏雲堂病院肝臓科・鵜沼直雄医師)

●体がかったるくてすぐ横になりたくなる。足早に歩いただけで動悸や息切れがする
 慢性腎炎の疑いが濃い。
「腎臓の老廃物を処理する働きが低下してきていて、本来は弱アルカリの血液が弱酸性に傾きつつあります。尿にタンパクも出ているはず。病院を受診して治療を受けると同時に、食事では減塩と低タンパク食を心がけること。何よりも規則正しい生活をすることが大切です」(神田医新クリニック・田原達雄医師)

●朝起きたときに熟睡感がなく、体がだるく、頭痛がする。口の中もカラカラに乾いている
 睡眠中に大いびきをかき呼吸が断続的に止まる睡眠時無呼吸症候群が疑われる。
「昼間の眠気が強いので仕事の能率が落ちてきます。高血圧や心臓病になるリスクも高くなります。睡眠を専門とするクリニックや精神科を受診して、睡眠ポリグラフ検査でチェックを。睡眠時無呼吸症候群との診断がつけば、肥満の人は減量すること。夜寝るときは枕を低くして横向きに寝るなどの工夫をしてください」(東京慈恵医大病院精神神経科・山寺亘講師)

●少し歩いただけでも疲れる。食べているのに体重が減ってきた
 糖尿病の初期症状の疑いがある。
「仕事の能率も落ちてきます。口が乾くのでよく水を飲むとか、尿がたくさん出るなどの症状を伴います。薬局で尿検査のスティックを買って、尿に糖が出ていないかどうかのチェックを。糖が出ていたら専門医に受診を。日常生活では食事療法と運動療法は必須です」(かたやま内科クリニック・片山隆司院長)

●頭がボーッとして体全体に脱力感がある。おなかが張った感じがする
「体全体の脱力感や、水がたまって腹がふくらみ、張った感じがするのは、肝硬変の特徴です。頭がボーッとするのは、肝機能の低下で尿中のアンモニアが増えているからです」(鵜沼医師=前出)
 病院へ行って肝臓の治療を受けると同時に、過労を避けて睡眠を十分とるなど、日常生活の注意が必要だ。

●午前中は体がだるく仕事をする気にならない。午後になると少し調子が出てくる
 軽いうつ病の疑いがある。
「うつ病になると仕事への意欲が低下し、趣味への興味も失い、全体的に活動性が低下してきます。精神神経科か心療内科へ。軽いうつ病なら、抗うつ薬の治療で1カ月くらいで良くなります」(山寺講師=前出)
 だるさの原因となる病気もいろいろ。どれかに心当たりがあれば、早めに手を打とう。


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