あなたの食生活はここが悪い!

専門家がチェック&アドバイス

 食生活が体に与える影響は大きい。間違った食生活は、糖尿病や高血圧、動脈硬化など生活習慣病のリスクを必ず高くする。そこで知りたいのは、自分の食生活のどこが間違っていて、それをどう修正すればいいのかという具体策だ。4つの食事パターンをもとに、実践女子大学食生活科学科・田島眞教授に指摘、アドバイスしてもらった。

■52歳・Hさん
《データ》50歳を過ぎて5キロほど太った。酒好き。
★朝 自宅でご飯、みそ汁、漬物、昨夜の残りのコロッケ
★昼 外食でカレー、シーザーサラダ、コーヒー
★夜 居酒屋でビール2杯、焼き鳥1本、煮込み、焼酎2分の1本、茶漬け
「50代で太った今の生活は、いつ突然死しても不思議ではありません。炭水化物と脂肪が中心で、ほかの栄養素がほとんど取れていないからです。飲酒量も多く、肝機能を正常に保つためにもタンパク質がもっと必要です。特に意識して良質なタンパク質を含む乳製品と豆類を取ること。朝食にチーズや豆乳を、夜のつまみに豆腐、枝豆などを。できれば、お酒の量を今の半分に減らし、主・副菜がそろったしっかりした食事にしてください」
■47歳・Kさん
《データ》家系に高血圧、がんの人が多い。
★朝 パン、ポテトサラダ、コーヒー
★昼 かき揚げそば
★夜 ビール1杯、マーボー豆腐、ご飯、シューマイ、中華スープ
「イモ類は主食と考え、パンにはポテトサラダより温野菜サラダを。生野菜は思ったほど野菜が取れないのでやめましょう。全体的に塩分の摂取が多い割に、塩分の排出に欠かせないカリウムがほとんど取れていない。塩分が多い中華料理や汁物は減らし、ミカンやバナナなどの果物、ホウレンソウや春菊などの緑黄色野菜を食べカリウム摂取を心掛けてください」

■38歳・Tさん
《データ》就職して一気に10キロ増。野菜のメニューがあれば必ず注文。
★朝 ブラックコーヒー
★昼 野菜天ぷらそばと牛丼のセット
★夜 ビール2杯、ギョーザ、野菜炒め、ご飯、みそ汁
「朝食抜きでコーヒーだけでは、低体温が続き、基礎代謝が下がって肥満になりやすくなる。免疫力も低下し、感染症やがんなどの発症リスクが高まります。朝はカフェオレとバナナなど、乳製品と果物を取る。野菜炒めなどは脂肪の過剰摂取になるだけで、“野菜が取れた”とは言えません。野菜は煮物、お浸し、浅漬けなどで取る。ギョーザとご飯の組み合わせは、炭水化物の取り過ぎで肥満の原因です。1食に炭水化物系のメニューは1つと決め、ご飯やめん類、ギョーザなどの“粉もの”などが重ならないようにしましょう」

■44歳・Yさん
《データ》やや肥満。高脂血症、脂肪肝、高血圧。酒は晩酌程度。
★朝 トースト、ハムエッグ、キュウリとレタスのサラダ、カフェオレ、ジャム入りヨーグルト
★昼 外食で親子丼
★夜 発泡酒缶1本、ご飯、煮魚、キンピラ、みそ汁、納豆、ミカン1個
「ミカンなど果物は朝食に。夜だと果糖が体に蓄積され、肥満の原因になりますが、朝ならエネルギー源として活用でき、ビタミンの供給源にもなります。コレステロールの過剰摂取を防ぐために、卵は1日1個分まで。外食は野菜不足になりがちなので、野菜ジュースを飲む。これらの実行で、今抱える生活習慣病は改善方向に向かうでしょう」

 忘れてはいけないポイントは、「野菜は温野菜やお浸し、煮物などで。あるいは野菜ジュースで補う」「乳製品、豆類で良質のタンパク質を取る」「塩分排出のために果物や緑黄色野菜を」「1食に炭水化物系は1つ」など。今日から始めよう。


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