風邪か?インフルエンザか?せきぜんそくか?

間違えると危険、命落とすこともある

「風邪」や「インフルエンザ」、そして最近注目を集めている病気でひどいせきが続く「せきぜんそく」は、症状が似ているため間違えてしまう人が多い。実は、この取り違えはとても“危険”なことなのだ。呼吸器系の病気の患者を多数診ている谷本内科クリニック・谷本普一院長が言う。
「一番多いのは、インフルエンザやせきぜんそくなどを風邪だと思い込んでしまい、そのため適切な対策を講じられないケースです。その結果、症状を悪化させたり、長引かせたりする。ある患者さんは、せきぜんそくを風邪だと思い込んでいたために、ときには失神するほどのひどいせきに20年間も苦しめられました。インフルエンザは早急の対策が肝心ですが、風邪だと思ってすぐに病院に行かなかったために、こじらせて命を落とした人もいるのです」
 気になる症状が、風邪か? インフルエンザか? あるいはせきぜんそくか?その見分け方を谷本院長に聞いた。

●2週間以上せきが続く
「風邪と思う人が多いですが、風邪なら症状が2週間以上続くことはほとんどありません。せきぜんそくが強く疑われます。この病気は適切な治療を受ければ数週間で治りますが、そうでなければ何十年も続きます。医師でも見落とす場合が多い。必ず呼吸器内科を受診し、できればせきぜんそくについて知識がある医師に診てもらうことです」
 ちなみに、せきぜんそくはぜんそくとは別の病気だ。原因はまだ解明されておらず、年齢、性別などにかかわらず、だれでも発症する可能性がある。せきはひどく、肋骨が折れる人もいるほど。

●“風邪かな”と感じてから、数時間たたずに40度近い高熱が出た
「“数時間もしないうちに”と“40度近い高熱”の2つの点から、インフルエンザが考えられます。インフルエンザの症状の特徴は、一気に高熱が出るということなのです」

●せきや鼻水に加え関節痛がある
「インフルエンザが考えられます。全身の関節痛や筋肉痛を伴うときは、ほぼ間違いないと考えていいと思います」

●熱はないが、数日前から鼻水、せき、のどの痛みの症状がある
「おそらく風邪です。インフルエンザなら高熱を伴いますし、せきぜんそくなら鼻水、のどの痛みの症状はありません」
 ただし、鼻水やのどの痛みはなくなったのに、せきだけが続いているときはせきぜんそくを考える。せきぜんそくは、風邪をきっかけに発症するケースが多いのだ。

●風邪薬を飲むと症状が軽くなった
「風邪です。インフルエンザもせきぜんそくも、風邪薬では症状を抑えられません」
 逆に言うと、風邪薬を飲んでも症状が軽くならなければ、ほかの病気が考えられるということだ。

●夜中から明け方にかけて、せきが激しく出る
「夜に症状が悪化するのは、せきぜんそくの特徴です。可能性として、ぜんそくも考えられますが、その場合はゼイゼイ、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)があるかどうかをチェックしてください。せきぜんそくは喘鳴がありません」

●鼻水が数日で黄色いドロッとしたものに変わった
「せきぜんそく、インフルエンザはまず考えられません。風邪でしょう」
 2〜3月は花粉症の可能性もあるが、花粉症はどちらかというとサラサラした水っぱななので、やはり風邪の疑いが強い。

●せき止めを飲んでもせきが止まらない
 せきぜんそくだ。
「コデインという非常に効き目が強いせき止めの薬ですら効きません」
 さあ、あなたはどうだ?

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