食品の“ちょい変え”で健康アップ
健康にいいものに乗り換えよう
食品について、ちょっとした選び方のコツを知っているだけで、健康効果がグッと上がることをご存じか。生活習慣病が気になる40代以上はもちろん、食生活などが不規則になりがちな20〜30代も、ぜひ押さえておきたい知識なのだ。2006年は、健康アップのための食品“ちょい変え”でスタートだ。横浜創英短期大学・則岡孝子教授に聞いた。
★玄米より発芽玄米
白米より玄米の方が健康効果が上なのは、知っている人が多い。しかしもっといいのは発芽玄米だ。
「玄米を発芽させたものが発芽玄米です。まず玄米よりも食べやすく、消化がいい。アミノ酸の一種で、血圧などを正常に保ったり脳の働きを高める“ギャバ”が、白米の10倍、玄米の2倍も含まれています。体脂肪を素早く燃焼させるリジンや食物繊維も多い。発芽によって、抗酸化物質のフィチン酸が吸収しやすい形に変化しているのもいいです」
★日本の酢より中国の黒酢
「中国の黒酢は香酢ともいわれています。アミノ酸は、日本の酢よりバランスよく含まれていて、しかも10倍以上多い。疲労回復効果がそれだけ高いのです」
ちなみに、黒酢は風邪対策にも役立つ。本場、中国では、黒酢でうがいをしたり、温めて蒸気を部屋中に出したりして、風邪対策に使っている。
★白ゴマより黒ゴマ
「黒ゴマの表皮にはポリフェノールの一種であるリグナンという成分があります。活性酸素を抑えて生活習慣病を予防する力は黒ゴマの方が上。がん患者の延命には黒ゴマ、という報告もあります」
★ビールより黒ビール
「米ウィスコンシン大学の科学者ジョンフォルツ氏が、ギネススタウト(黒ビール)はハイネケン(普通のビール)より血液をサラサラにする効果が高いことを、心臓協会の学会で発表しました。黒ビールに含まれるフラボノイドには、赤ワインと同様に血液の流れをよくして心臓病を予防する働きがあることが実験で明らかになったのです」
★うどんよりそば
「そばにはルチンという成分が含まれています。これは血管を強化し、血圧を下げ、血糖値を調整するなどの働きがあって、うどんには含まれていません」
★ラーメンよりフォー
フォーはベトナム料理の代表的なめん類。
「ラーメンは小麦粉が原料ですが、フォーは米の粉が原料です。アミノ酸スコアはフォーの方が高く、疲労回復などの面からみるとフォーの方がおすすめです」
★小麦粉のパンよりスペルト小麦のパン
スペルト小麦は、世界最古の穀物のひとつといわれている。最近、スペルト小麦を原料にしたパンがパン屋などでよく売られるようになってきた。
「小麦や米よりも、スペルト小麦の方がビタミン、ミネラル、食物繊維が多く、高タンパクです。消化もいい。小麦粉のパンとスペルト小麦のパンが並んでいれば、スペルト小麦を選んだ方がいい」
★牛乳よりチーズ
「チーズは発酵という過程を経ているので、タンパク質がアミノ酸に分解されていたり、ミネラルがイオン化して体内に吸収されやすい状態になっています。カルシウムも小魚の2倍高い。牛乳よりチーズの方がおすすめです」
★ジャガイモよりサトイモ
同じイモ類だが、サトイモの方がいい。
「エネルギーが低い、カルシウムが多い、胃腸を保護する働きも高い」
ほんのちょっとしたことだが、健康も“チリつも”が大事なのだ。
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