尿路結石にならない食べ方飲み方

“多発年代”の40、50代は特に要注意


 40、50代に多発する尿路結石は、夏に急増する。その発症には食生活が深く関係しているといわれるから、夏場は特に食べ方、飲み方に要注意なのだ。「尿路結石症の治療と食事療法」の共著書がある千葉大学医学部元教授の伊藤晴夫氏に聞いた。

 そもそも尿路結石が夏場に増えるのは、なぜなのか。
「夏は汗をかくので尿量が減少。尿が濃縮されて酸性に傾くと、尿酸が結晶化し、これが核となってシュウ酸カルシウム結石ができやすくなるのです。また強い日光はビタミンD 3の働きを活性化し、体内で作られる尿にカルシウムが多く入り込むことも、夏に尿路結石が多い理由の一つと考えられています」
 そんな“危険な夏”に、尿路結石にやられないためには、「飲み食い」に工夫が必要。伊藤元教授が指摘するそのポイントは以下の通りだ。

(1)1日2リットルの水を飲む
 水分摂取が少なくなると尿が濃くなって石が作られやすくなる。
「1時間に1回の割合でコップ1杯の水(約200ミリリットル)を10回飲みましょう」

(2)カルシウムを多く取る
 カルシウムは1日800ミリグラム(牛乳コップ4杯分)はとりたい。
「日本人の石の80%はシュウ酸カルシウム結石ですが、カルシウムをたくさん取ると、腸内でシュウ酸と結びついて不溶性のシュウ酸カルシウムとなり、便として排出されるからです。その結果、尿中に結石を作る真の悪玉のシュウ酸が少なくなるので、石はできにくくなります」

(3)ステーキやハンバーグ、フライドチキンなどの動物性脂肪を制限する
「脂質は尿中へのシュウ酸の排泄(はいせつ)を増やすので、石が作られやすくなります」

(4)タンパク質も取り過ぎない
 タンパク質を取ると、尿中の尿酸やカルシウムが増え、尿路結石形成の抑制物質であるクエン酸が減ることがわかっている。植物性、動物性を問わず、タンパク質の摂取量は、体重1キロにつき1グラムまでにしたい。

(5)シュウ酸を多く含む食材はカルシウムと一緒に取る
 シュウ酸は、ホウレンソウ、キャベツ、サツマイモ、ナス、カボチャなどの野菜や、ココア、紅茶、緑茶、コーヒー、ジュース類などに多く含まれている。
「シュウ酸を含む食材を取るときは、カルシウムを一緒に取って、腸の中でカルシウムとシュウ酸を結合させ便とともに排泄してしまうのがコツです」
 ホウレンソウのごまあえやおかかあえ、芽キャベツのクリーム煮、ミルクココア、ミルクティーなどにしてカルシウムと一緒に取るようにする。

(6)アルコールを取り過ぎない。取るときはカルシウムと一緒に取る
 アルコールにはプリン体が含まれているので、飲み過ぎると尿酸結石やシュウ酸カルシウム結石ができやすくなる。ビールにはシュウ酸が含まれているので、カルシウムが多い小魚やチーズを肴(さかな)にして飲む。

(7)砂糖と塩分の取り過ぎにも注意する
 砂糖も塩分も、尿の中にカルシウムを増やすように働きかける。

(8)サバ、サンマ、イワシなどの青魚を積極的に取る
 魚油に含まれるイコサペンタエン酸は、尿中のカルシウムやシュウ酸を減らすことがわかっている。
 これらのポイントをできるだけ多くクリアし、尿路結石の発症や再発を防ごうではないか。


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