老化か、病気か? ここで見分ける(第2弾)


 中年ともなると、体のあちこちに“変調”が出てくる。それが老化のせいなのか、それとも病気によるものなのかを見極めないと、後悔することになる。好評だった「これは老化か病気か」の第2弾だ。

●猫背になってきた
 年をとって筋肉が弱くなってくると、骨の形は正常でも骨と骨のつなぎ目がゆるみ、猫背になってくる。これが老化による猫背。ところが脊椎を構成する椎体の圧迫骨折や骨粗鬆(そしょう)症による猫背もある。これは痛みを伴うのが特徴だ。
「椎体の圧迫骨折で猫背になる場合は、尻もちをついたくらいの衝撃でも背中に痛みが出ます。また骨粗鬆症による猫背は、起き上がるとき、イスから立つとき、軽い物を持ったときなどに痛みが出ます」(内田整形リウマチクリニック・内田詔爾院長)

●新聞や雑誌の文字が読みづらい
「細かい文字が少しずつ読みづらくなってきたが、遠くの方は普通に見える場合は、老化による老眼です。ところが、遠くも近くもジワジワと見にくくなってきたら、白内障で水晶体が白く濁って視力が低下してきている可能性がある。また片目で見たときだけ文字が読みづらいときは、加齢性黄斑変性の疑いが大です」(井上眼科病院・井上治郎理事長)
 見ようとするその文字だけが、抜けて見えなくなるという特徴がある。

●耳が聞こえにくい
 聴力は20歳がピーク。これを10とすれば、50〜60歳では9.8〜9.5くらいに落ちてくる。
「加齢による難聴はジワジワと進み、聞こえにくさ以外には症状がない。これに対して、ストレスによる突発性難聴は心身の疲労から急に聞こえが悪くなるし、イヤホンなどによる騒音性難聴も、急に起こることが多い。中耳炎では聞こえの悪さに加えて、耳がつまった感じがすることがあります」(東京医大病院耳鼻科・河野淳・助教授)

●目やにがたくさん出る
 目やにはまぶたにある脂腺からの分泌物。まばたきによる涙で流されるので、涙の少ない夜にたまり、朝起きたときに出るのは生理現象。加齢とともに涙の分泌量が少なくなるので、朝起きたときの目やにが増えるのは老化現象だ。
「これに対して、急に目やにが増えて、目が赤くなったり、まぶしい感じがしてきたら、結膜炎です」(前出の井上治郎理事長)

●ほくろが大きくなってきた
 若いころからあったほくろ(色素性母斑)が、何年もかかって少しずつ大きくなるのは老化現象。これに対して30、40代に急にほくろができ、これが数カ月で6、7ミリ以上になったら、ほくろのがんの疑いがある。
「通常のほくろに比べて、非対称で、境界が不明瞭で、色むらがあるのが特徴。場所的に、手のひらや足の裏にできたほくろには、特に注意が必要です」(東京医大病院皮膚科・坪井良治教授)
 先手必勝。「ウン?」と思う変調があれば、一度医者に行った方がいい。



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