ビールをやめずに“痛風”を治せる!
痛風の専門医が自ら“人体実験”して実証
「尿酸値が高い!」と医師に指摘され、「これでビールは飲めない……」とガックリきた人は多いのでは? ところが、痛風の専門医で、ビールをやめずに痛風を克服した人がいるのだ。鹿児島大学病院内科教授で「痛風はビールを飲みながらでも治る!」(小学館文庫)の著者・納光弘氏である。
「昨日の宴会ではビール2リットルに焼酎6〜7合。普段でも500ミリリットルの缶ビール2本か、焼酎を2合飲んでいます。肥満は尿酸値上昇の原因になるので、食べ過ぎには注意しますが、プリン体の制限は特にしていません」
こう話す納氏は生粋の薩摩隼人で酒好き。特にビールは大好物で、約40年間毎晩飲む。宴会では3〜5リットル飲むこともザラだという。しかし4年前に突然の痛風発作。ビールをやめたくない一心から、自ら“人体実験”を行い、尿酸値の変化を調べた。
「その結論が、ビールに限らず酒は何でも大丈夫。むしろ、飲んだ方が尿酸値が下がることもあるということです」
納氏は(1)から(7)の順番に“人体実験”をやった。
(1)日本酒か焼酎を1日1.5合。2週間毎晩飲んだ。
「毎晩酒を飲んでいるのに、7.1から6.2の正常値(7未満)に下がりました」
(2)その翌日、ビール大ビン約6本を飲んだ。次の日の朝、6.2から7.2に上昇。
(3)さらに翌日から焼酎1.5合を毎日1週間飲むと、尿酸値は低下し7を切った。
(4)今度は10日間断酒して5.8。
(5)続けて毎晩日本酒3合を4日間飲み、7.0に上昇。
(6)さらに日本酒6.5合を飲んだら、翌朝8.0に急上昇。
(7)翌日から5日間断酒で6.3まで下がった。
「つまりビールに限らず大量飲酒すれば尿酸値は上がるが、日本酒換算で1.5合、ビールだと750ミリリットルまでなら、毎晩飲んでも尿酸値は上がらず、むしろ下がるのです」
納氏が“発見”したポイントは「ストレスが尿酸値を上げる」だ。
「尿酸値が6.3になった後、研究発表のために断酒を続けたのですが、尿酸値が全く下がらず、上がってきた。そんなとき病院長杯ゴルフ大会があり、大会の朝と終了後に尿酸値を調べました。すると朝は8.1で、前日の朝より1.2も上がっていた。お酒も飲んでいないのに、です」
納氏がギックリ腰を起こしたときも尿酸値は0.5上昇。共通項は「ストレス」だ。
「ゴルフ大会の前日は興奮でなかなか寝付けず、“いい意味の”ではありますが、ストレスを感じていました。ギックリ腰もそうです。6.3から下がらなかったときは、病院長に就任して半年ほどで仕事のストレスを感じていた上に、研究発表と断酒のストレスがかかっていました。要するに、ストレスは断酒をしていても尿酸値を上げるし、ストレスを減少させれば尿酸値低下につながるのです。そのストレスをほどよく緩和させるためにも、適量のビール(アルコール)がお勧めです。特にビール好き、アルコール好きの方には」
ビールは尿量を増やし尿酸を多く排泄することもある。そもそも、尿酸の原料になるプリン体の含有量は、ほかの食品に比べ圧倒的に少ないのだ。
「私は最初の痛風発作以降、一度も発作を起こしていません。高尿酸による尿路結石や腎能障害もない。仕事が激務でかなりのストレスになるので、今は高尿酸血症の薬を飲んでいますが、退官したらやめようと思っています。ストレスが減れば、適量以内なら酒を飲みながらの“普通の食生活”で、十分に尿酸値を正常に保つこともできるのです」
ビールをやめなくていいのだ。
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