プリン体をトータルで半減させる

夏は尿酸値を上げるものがうまいから特に要注意

 プリン体は尿酸の原料だ。取り過ぎると尿酸値が上がり、痛風リスクが高くなる。特に夏は尿酸値を上げるものがおいしい季節なので要注意。「塩分」「脂肪・コレステロール」に続く第3弾「プリン体をトータルで半減させる決めワザ」を、横浜創英短期大学・則岡孝子教授に聞いた。

★摂取を減らす
 一番の関心は「ビールをやめなきゃ駄目?」だろう。結論から言うと「大丈夫」だ。
「尿酸は全体の7分の6が体内で合成されて、残り7分の1が飲食物から摂取されます。つまり飲食物による影響はそう大きくありません。量が過ぎさえしなければあまり問題ないのです」
 ビールは1日に中瓶1本までは飲んでもいい。しかし、「どうしても今日はもっと飲みたい」というときは、「今日は“3日分”の中瓶3本飲んだから、明日とあさっては飲まない」と決め実行することだ。ちなみに日本酒なら2合、焼酎なら25度のもので100ミリリットル、ワインならグラス2杯、ウイスキーならシングル3杯まで。
 居酒屋には“高プリン体メニュー”が多い。要注意なのはレバー、モツ、アンキモなどの内臓類。それに干物、イワシ、サンマだ。ただし、これらの高プリン体メニューも食べ方しだいでプリン体摂取量を減らすことができる。
「プリン体は水溶性なので煮物やスープだと煮汁に溶け出ています。たとえばモツ煮込みなら、よく煮込んだものを煮汁を取らないようにして食べればいいのです」

★排出を高める
「日本人の痛風患者の約8割は、尿酸がうまく排出されないタイプです。排出を高めるには3つの方法があります」
 まずは「カリウムの摂取」だ。
「カリウムには血液中の尿酸を排出する働きがあるのです。ニンジン、キャベツ、ホウレンソウ、セロリ、トマトなどの野菜類、イモ類、海藻類から多く摂取できます」
 2つ目は「尿をアルカリ性に変える」。具体的には野菜や果物を取るといい。
「尿がアルカリ性になれば、尿酸が尿に溶けやすくなって尿と一緒に排出されやすくなるのです」 3つ目は水分摂取。尿が増えれば、尿酸がそれだけ多く排出される。
「1日2リットルが目安です。利尿作用のある緑茶、中国茶、無糖の紅茶やコーヒーを飲んでもいい」
 ビールや内臓類を食べるときは、野菜と水をたっぷり取って、“トータル減少”を目指すのだ。

★合成を抑える
 体内での活性酸素過剰発生による細胞の老化を抑えれば、尿酸合成にブレーキをかけることができる。
「抗酸化作用の強いビタミンA、E、Cを3つ一緒に取る。それぞれがお互いの働きを高めるので、単体で取るよりも一層効果的です」
 ホウレンソウやコマツナ、アシタバ、ピーマンなどの油炒めやサラダがお勧め。レモン汁をたっぷりかけて食べるといい。
 香りの強い食品も、合成を抑えるのに役立つ。ニンニクやニラ、タマネギ、ネギなどだ。プリン体の多いレバーはニンニク、ニラなどを大量に入れて炒める、モツ煮込みには山盛りのネギをのせる。
 これらの知識をしっかり頭に入れれば、危険な夏のプリン体対策はバッチリだ。


top>プリン体をトータルで半減させる

医師に質問|mixi|症状別
美容院/エクステ|女性総合大辞典