熱帯夜でもぐっすり眠れる 夏の夜の“隠しワザ”


 睡眠による休養の充足度が“やや不足している”“まったく不足している”と回答した人が全体の31.5%もいた――。厚生労働省が12歳以上の3万2000人を対象に行った調査結果は、睡眠問題が重大な“現代病”であることを改めて示した。
 そんな中で、「コレをやって熟睡できるようになった」という人たちがいる。その“隠しワザ”を聞いた。熱帯夜を乗り切る、役に立つ話ばかりだ。

★パジャマの襟を立てる
「クーラーを効かせて寝るが、襟の付いたパジャマで襟を立てて寝るのがポイント」と言うのはMさん。「クーラーで体を冷やすと熟睡を妨げる」という話を聞いてクーラーをやめたが、やっぱり暑くて寝られない。それで思いついたワザがこれ。
「冬に風邪対策でマフラーを巻くのを思い出して、首を“守る”ために襟を立てると、体が冷えず熟睡できた」(Mさん)
 首にハンカチなどを巻くのは首が絞まる恐れがあり危険なので要注意。

★牛乳を人肌に温め飲む
「夜中に何度も目が覚める」というKさんは、寝る前に温めた牛乳を飲むようにしてから、朝まで熟睡できるようになった。横浜創英短期大学・則岡孝子教授が言う。
「牛乳には脳を休めて眠りの質を高めるセロトニンの原料が含まれています。温めることで胃にも刺激を与えません」

★風呂に入った後すぐにパジャマを着る
 Oさんは「風呂上がりに上半身裸でクーラーにあたって涼む」という夏の習慣をやめて大成功。
「風呂に入ると副交感神経の働きが高まってリラックスできます。しかしクーラーにあたると交感神経が高まり、リラックス効果が薄れてしまう」(前出の則岡教授)
 風呂の温度は38度前後のぬるめが最適だ。

★暗示をかける
 Tさんは照明を落として布団に寝転がり「(1)目を閉じてゆっくり呼吸をする(2)右腕→左腕→右足→左足の順に“腕(足)が重くなる”とゆっくり考える」をやる。うつ病治療などにも使われる自律神経訓練法を、自分なりに簡略化したもので、リラックスできてスーッと眠りに入れるという。

★睡眠改善薬を飲む
「子供のころから布団に入って眠るまでに1時間くらいかかっていた」という40代のSさんは、薬局で見つけた抗ヒスタミン剤が入った睡眠改善薬「ドリエル」(エスエス製薬)で、一気に悩みが解消した。
「ポイントは抗ヒスタミン剤で、鼻炎薬などに入っている成分です。睡眠薬と違って自然な眠りが得られ、依存の心配もありません。ほかに、西洋カノコ草(バレリアン)という西洋の漢方も効果が高いです」(東京・築地の「近藤薬局」佐藤文則薬剤師)

★夜中のトイレは電気をつけない
 Yさんは必ず夜中にトイレで目が覚める。その後眠れなくなっていたのだが、「トイレに行くとき電気をつけないようにしたら、目が完全に覚めないので引き続きスムーズに寝られる」。根本の頻尿を解決するのが大前提だが、とりあえずやってみる価値ありのワザだ。

★眠くなってから布団に入る
 聞いた中で多かったのはこれ。
「布団の中で“今日も寝られない”と考えると、プレッシャーで余計に寝られない。眠れなければ起きていればいいと考えるようにしてから楽になった」とのこと。
 ほかに「寝る前にその日楽しかったことを3つ思い出す」「クッションを背中の片側にあてて横向き寝を維持できるようにする。イビキをかきにくくなり、眠りが深くなった」「毎日決まった音楽をかける。それを聴くと条件反射で眠くなるようになった」などなど。
 これで真夏の夜も怖くない。

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