あなたが気にしているその症状は病気です

専門家がズバリ診断、今すぐ病院へ直行だ

「そのツラさは、病気です」(西所正道著・新潮社)という本が話題になっているが、病気かどうか判断に迷う症状は少なくない。そこで、よくある紛らわしい症状をピックアップ、専門家に“診断”してもらった。

★頭痛や目まいに頻繁に襲われる
「慢性的なら低髄液圧症候群が疑われます」と言うのは、国際医療福祉大学付属熱海病院脳神経外科・篠永正道教授。脳を覆うクモ膜と軟膜の間を循環する髄液が漏れて、量が減少する病気だ。
「ほかに顔のしびれ、目のかすみ、声のかすれ、吐き気、倦怠感、疲労感、不眠、集中力や思考力の低下、胃腸機能低下、汗をたくさんかくなどがあって、症状が複合的に起こるのが特徴です」(篠永教授)
“病気じゃないと思ってずっと我慢してきた”という患者も少なくない。
「交通事故など体への衝撃が原因ですが、必ずしもその直後に起きるわけではないので特定しにくい。十何年経ってから、という人もいます。普通のMRIやCTでは判明しにくいので、“髄液量が減少していないかどうか調べてほしい”と言うこと。検査や治療はそれほど難しくありません」
 篠永教授によると、患者は100万人ほどいるという。不調が続くときは一度調べてみよう。

★頭全体が重い
 硬膜外血腫が考えられる。
「最初は朝、軽い頭痛がある程度ですが、そのうち1週間ほどかけて徐々に痛みがひどくなっていき、芸能人の名前が思い出せないなど物忘れも出てきます。頭への衝撃で硬膜にある血管が切れて出血し、頭蓋骨と硬膜の間に血腫ができるのです」(杏林大学病院神経内科・作田学教授)
 頭を打って3〜4週間してから症状が出てくることも多く、“ただの頭痛”と甘くみることがあるから危険なのだ。

★体がずっとだるい
 慢性疲労症候群の可能性が高い。
「原因はウイルス感染、ストレス、免疫力の低下の3つが有力ですが、はっきりしたことは分かっていません。疲労感や全身のだるさ、のどの痛み、微熱などが慢性的に起こります。風邪の初期症状に似ているので本人も周囲も軽くみることが多いのですが、放っておくとつらくて何もできないほどだるさがひどくなります」(初台関谷クリニック・関谷透院長)
 マジメできちょうめん、責任感が強く仕事熱心な人がなりやすいという。

★朝、ペニスの先がくっついている
 朝、ペニスの尿道口がくっついたようになっていて、そのために尿がなかなか出てこないときは、病気だ。クラミジアなどの性感染症を疑った方がいい。
「寝ている間に出た膿(うみ)が乾燥してノリのようになって尿道口がくっつくのです」(新宿さくらクリニック・澤村正之院長)
 ペニスが熱い、しみるなどがクラミジアの一般的な症状だが、それらがない人も結構いる。“ペニスの先がくっつく”が唯一の自覚症状ということもあるので、見落としてはいけないのだ。

★意欲はあるのに朝起きるのがつらく、体が重だるい
「器質的疾患がなければ、仮面うつ病が考えられます。仕事に対してガムシャラにがんばりますが、身体的な機能が低下して体が重だるい、精神的な抑うつ状態で朝起きるのがつらいなどの身体面での症状が出てくるのです」(前出の関谷院長)
 自分ではうつ病と認めないケースがほとんど。たとえ内科で検査をしても器質的疾患は見つからないので、“やっぱり病気じゃない”と思うことが多いが、それは大間違いだ。
 あなたの症状、それは病気なのだ。

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