ドライアイは涙点プラグで“根治”できる

治療はわずか5分。費用は1万円前後

「目が乾いて重い」「目がやたら疲れる」――。こんなドライアイ症状に悩む患者が、全国に800万人いるという。その対症法はせいぜい目薬で目を湿らせるくらいだが、わずか5分で治る根本治療法があるという。しかも治療費は1万円前後。それが「涙点プラグ」だ。

 ドライアイは、涙の量が不足しているか、涙が蒸発したり排出される量が多すぎて、目の表面を潤すことができない状態を言う。
「正常な人は、まばたきをするたびに涙が目の表面を覆い、角膜や結膜の細胞を保護しています。ドライアイになると、目が乾いてゴロゴロした違和感を感じ、かゆくなったり、目やにが多くなります。疲れ目の原因ともいわれています」
 こう言うのは、順天堂大学臨床教授で、「清澤眼科医院」院長の清澤源弘氏だ。
 システムエンジニアのAさん(46)は数年前から目が乾き、かゆくてたまらない。最近、目が痛くなり、やたらまぶしくなった。
「まぶしいのは、目の表面が乾いたため角膜が傷つき、光が乱反射するからです。放っておくと、目が開けられず、仕事を続けられなくなるケースも少なくありません」(清澤院長)
 多くのドライアイ患者は、目薬を頻繁に差して、目の表面を潤わせているが、限界がある。そこで注目されているのが涙点プラグなのだ。
「目と鼻柱の間の上下2カ所に“涙点”と呼ばれる穴があります。左右合わせて4カ所。これは涙を排出する穴で、涙点プラグは文字通りこれにプラグ(栓)をして、涙をためることで、目に潤いを与える方法です」(「蒔田眼科クリニック」の杉田美由紀院長)
 ただし、涙は排泄されずにたまると、雑菌が増えるなど、デメリットも出てくる。
「そのため、定期的に点眼で目を清潔にしておくことが必要です。また、プラグが涙点の奥に入り込んで炎症を起こし、手術が必要なケースも、少ないが、あります」(杉田院長)
 目にプラグを入れるというと、大がかりな手術を思い浮かべるが、治療は至って簡単だ。
「点眼麻酔をしたうえで、専用の器械をシャープペンをノックする要領で、涙点に栓をするだけ。通常は4カ所ある涙点のうち下の2カ所だけ、重症のドライアイ患者は上の2カ所にも装着します。痛みはありません。治療時間は5分くらいです。治療当日の洗顔、入浴も問題ありません」(清澤院長)
 プラグの大きさは直径が1ミリ以下なので外目にはわからない。
「もちろん、プラグが合わなければ装着し直すことも可能。プラグはピンセットで簡単に取れます」(清澤院長)
 涙点プラグは、物が目に当たるなどすれば外れることもある。しかし、絶えず目薬を差すわずらわしさを考えれば、涙点プラグの方がずっとラクだ。


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