■善玉コレステロールの増やし方
ポイントは6つの生活習慣改革
「HDLコレステロール」とは血管を動脈硬化から守る、いわゆる“善玉コレステロール”のこと。これが少ないと動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞を起こすリスクが高くなる。どうすれば善玉コレステロールを増やせるのか? 脂質生活習慣病研究所所長で、中谷内科クリニック(東京・東中野)の中谷矩章院長に聞いた。
かつてコレステロールはすべて悪とされ、多いほど動脈硬化が進みやすいと考えられていた。
それはLDL(悪玉)コレステロールで、これが増えすぎると、血管壁の内膜に蓄積して動脈硬化を進行させる。
ところが最近は、善玉コレステロールは血管壁からコレステロールを回収し、肝臓に運んで分解し、その値が高いほど動脈硬化予防にプラスだとわかってきた。
「日本人は悪玉コレステロールが多いことより、善玉コレステロールの値が低いことの方が問題。これが40mg/dlを切ると、脳梗塞や心筋梗塞の危険が2倍になるといわれています」
では具体的に、どんなことに気をつければ、善玉コレステロールは増えるのだろうか? 中谷院長のアドバイスは以下の通りだ。
●運動
善玉コレステロールを増やすには運動が一番だ。といっても散歩程度で十分で、厚生労働省が行った調査では、1日の歩数が多い人ほど、善玉コレステロールの数値が高かった。散歩時の脈拍数が大切。138から年齢の半分を引いた数字を目標脈拍数とし、1日20分以上の速歩をすれば効果的だ。
●禁煙
たばこは善玉コレステロールを減らす最大の要因。だから、増やしたかったら、禁煙だ。
●減量
肥満になると、インスリンの働きが低下して中性脂肪が増える。その結果、善玉コレステロールが減少する。体重を減らすことだ。
●お酒
適切な酒量は善玉コレステロールを増やす。ビールなら1日に中ビン1本、日本酒なら1合、ウイスキーならダブル1杯、ワインは2杯までならOK。
●ご飯・甘いもの
ご飯などの炭水化物や、ケーキなど甘いものをたくさん食べると善玉コレステロールが減る。ご飯好きはおかずとのバランスを考えて食べること。砂糖は1日40グラム以下を目標に。
●肉類
肉に含まれるタンパク質と飽和脂肪酸は善玉コレステロールを上げるのに必要な栄養素。「体に悪いから」と肉断ち、油断ちしている人は、善玉コレステロールが低下する場合がある。
ただし、善玉コレステロールも、100を超えると動脈硬化のリスクが高くなる。覚えておこう。
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