mixi招待 健康モバイル辞典withミクシィ
痛み方でわかる 腰痛の本当の原因


 日本人の5人に4人が生涯に一度は腰痛になるという。まさに“国民病”だが、厄介なのは腰痛の原因が1つではなく、いろいろあること。それを突き止め、それに合った対処をしないと、腰痛とオサラバできないのだ。症状別にどんな原因が考えられるのかを、日赤医療センターの久野木順一・脊椎整形外科部長に聞いた。

●腰だけでなく尻や脚も痛む
 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の可能性が高い。
「いずれも脊髄の神経圧迫が原因で、圧迫部位の神経によって尻や脚にもしびれや痛みが出るのが特徴です。ヘルニアは痛みが激しく、前かがみになると特に痛み、安静時も痛む。脊柱管狭窄症は、腰の痛みよりも、下肢の痛みやしびれの方が強いため、休み休みの間欠歩行になりやすい」
 どちらもX線などで神経圧迫の部位を確認し、整形外科で外科治療を行う。重症患者は手術が必要な場合もある。

●横になって腰を動かさなくても痛い
 腰周辺の内臓疾患が考えられる。
「寝ていても痛みが激しく、どんどん症状が悪化するようなら、脊椎転移がんが疑われます。臓器の炎症が原因の場合は、原病に特有の症状を伴うケースが多い。たとえば腰痛のほかに血尿が出ていれば、腎臓結石など腎障害が濃厚です」
 一般に内臓疾患による腰痛の場合、動けないほどの腹痛を伴うケースが多いが、中には痛みが軽く、本当の原因を見過ごすケースもある。
「早めに処置をしないと死ぬ恐れのある腹部大動脈瘤は、血管が破れていなければ一般的な腰痛程度の痛みの場合もあります。侮ってはいけません」
 内臓疾患が原因の場合は、内科治療が先決だ。

●人間関係がこじれたりストレスたまると痛む
 神経症やうつ病が原因のことが多いという。
「基本的に痛みは脳で判断されます。うつ病や神経症がある人は、痛みの判断能力が正常に作動しなくなり、通常以上の痛みとして認識する場合があります。人間関係のトラブルなど、ストレスが強くかかったときに、そのブレが出やすく、強い腰痛として認識する人もいるのです」
 精神科や心療内科で治療を行う。

●前後に曲げると痛い
 椎間板ヘルニアか腰痛症だが、鈍い痛みなら後者だ。腰痛症はX線撮影で異常がない。
「前に曲げると痛むのは、デスクワークなど長時間同じ姿勢を続けることで発症します。一般的な腰痛で、いわゆるギックリ腰もこれに含まれます。後ろに曲げると痛い人は、老化による脊椎の変性や、外傷などによる脊椎の障害が原因です」
 ヘルニアでなければ、治療を急ぐ必要はない。まずは原因を特定することが重要だ。



>topへ