■「痛風」に本当に役立つ実践知識

黄信号の人も要確認だ

 ビールがうまくなるこれからの季節、初めての痛風発作を経験する人が少なくない。 “地獄の苦しみ”を味わわないために、もう一度基礎からしっかりと痛風知識を押さえようではないか。ネット上の「痛風ホームページ」も開く「両国東口クリニック」大山博司理事長に、「痛風Q&A」を聞いた。

Q《納豆は食べちゃダメ?》
 プリン体が多い食品を取り過ぎると、尿酸のもとになり、「高尿酸血症→痛風」となる。一般的に体にいいといわれる納豆は、実はプリン体が多い。そのため“食べちゃダメ”と思われがちだが――。
「1日に1パック程度なら構いません。同じ大豆加工食品の豆腐も、半丁くらいなら大丈夫です」

Q《本当にタブーな食べ物は?》
「どんな食品でも一切禁止することは必要ありません。痛風になると“これはプリン体が多いから食べてはいけない”など熱心に食事制限に取り組んでしまい、ストレスから“リバウンド”で食べ過ぎてしまう方が少なくない。それよりも、プリン体を多く含む食品を理解して、取り過ぎないようにすることが大事です」
 プリン体が多いというと、白子、アンキモ、内臓類(レバーなど)が真っ先に頭に浮かぶが、見落としがちなものも多い。
「肉やカツオ節、煮干しなどで取ったラーメンのスープはプリン体が多く含まれるので飲み干さないこと。身近な食品でプリン体含有量が特に多いのは、魚の丸干しや干物、肉、レバー、イワシ、イカ、タコ、サンマ、カツオ、カキ、エビなどなので、食べ過ぎに注意です」

Q《つい食べ過ぎたら?》
「数日単位で調節してください。今夜は宴会で食べ過ぎたら、明日、あさっては節制するというようにです」

Q《ビールはダメ?焼酎ならいい?》
「ビールに限らず飲酒量が尿酸値に大きな影響を与えますので、どのお酒も飲みすぎには注意が必要です。ビールだけが悪者ではありませんが、一方でビールをたくさん飲む方は、プリン体を多く含むつまみをたくさん食べる傾向にあります」
 大山理事長が患者にも勧めているのは「プリン体カットの発泡酒か、焼酎やウイスキーなどをできれば選ぶようにし、焼酎で1日1〜2合、ウイスキーで1日水割り2杯程度を目安に」だ。

Q《調理法でも違う?》
「プリン体は調理法でも含有量が変わります。焼いたり炒めたりでは食品の中に閉じ込められますが、煮物だと落とすことができます」

Q《運動をするときに気をつけることは?》
「水分をたっぷり取ることです」
 汗をかくと血液粘度が増し、発症リスクが高くなる。そのために十分な水分補給が必要だが、ビールはここでいう“水分補給”にはならないので注意!

 さらに大山理事長は、「塩分を取り過ぎないようにする。1日の摂取カロリーを決める」を痛風対策として挙げる。最近は20代の若さで発症する人も少なくないというので、自分が気をつけるとともに、息子、部下にも教えてやろう!



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