正しい老眼鏡を作るポイント5

間違っていると老眼進み、疲れ目や肩凝りなどのトラブルに

 年を取ると誰もがお世話になる老眼鏡だが、「度数が合っている人は半分以下」(蒔田眼科クリニック・杉田美由紀院長)なのが実態。
 間違った老眼鏡をかけていると、老眼が進行したり、疲れ目や肩凝りの原因になる。
 知っているようで知らない老眼鏡の正しい作り方を、眼鏡レンズの専門店「れんず屋」(東京・新宿区)の古屋和義社長に聞いた。

●強い近眼の人はいきなり老眼鏡を作らない
「老眼とは、年齢とともに目のピントを合わせる力が衰え、近くの焦点が合わせにくくなる状態をいいます。構造的に近くが見えづらい遠視とは全く違います。老眼の矯正は、遠視と同じ凸レンズで行いますが、近視の人は、近くを見ることに関しては目の調整力が残っているので、いきなり老眼鏡を作るより、眼鏡の度数を落とす方が見えやすい場合があります」

●仕事内容で選ぶべきレンズの種類は違う
 老眼鏡のレンズには一定の距離にピントを合わせる「単焦点型」、目の動きに合わせて度が変わる「累進多焦点型」など多くのタイプがある。
「室内の仕事用なら単焦点レンズがお勧めです。例えば一日中法律書の細かい文字とにらめっこしている法務マンは、30センチ先が見えればいい。単焦点型で十分です。経理マンは手元の書類とパソコン画面を照合するため、30センチと60センチ先がよく見える二重単焦点レンズが必要です。老眼鏡を作る前に自分が何センチ先を見続けたいのか、確認しておくことが大切です」
 焦点を合わせ過ぎた度の強い老眼鏡は、焦点が10センチ離れただけで見えづらくなる。老眼の度数は少し弱めにすること。
 なお、累進多焦点レンズはピントがぴったり合う範囲が狭く、少し目を左右に動かすと視界が歪む。「英文をたくさん読む人は単焦点レンズがいい」という。

●仕事用のレンズはガラス製がいい
「プラスチック製は軽くて加工しやすいので人気ですが、ガラス製に比べて傷に弱い。耐用年数も短い。一方、ガラス製は重いが解像度が高いので、細かい文字や絵が見やすい。仕事用ならガラス製を選んだ方がいい」

●高額な老眼鏡は不要
「老眼鏡をかけはじめるのは40〜50歳代が多く、老眼の進行が止まる60歳くらいまでに3回老眼鏡を作り替えるのが一般的。最初から気負って高額な老眼鏡を作ると、度が進んでも買い替えるのが惜しくなる。度の合わない老眼鏡を無理してかけることになりかねません。老眼鏡は消耗品だと思うべきです」

●老眼度数は眼科医で測れ
 中高年の場合は本人が老眼と思っていても、実は「白内障」「緑内障」「糖尿病網膜症」といった失明につながる病気の可能性もある。眼科医なら、こうした目の病気もチェックしてくれる。老眼の度数や、左右の瞳の距離を示す瞳孔間距離は必ず眼科で測ること。
 視力が衰えれば、人生の楽しみも半減する。老眼鏡作りは慎重であるべきだ。


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