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あなた出生時体重は何キロ?


軽いほど高血圧、心臓病、糖尿病になりやすい

 生まれたときの体重によって、高血圧や心臓病、糖尿病などの成人病の発症リスクがわかるという説をご存じか? 「成人病胎児期発症説」がそれで、欧米では定説になりつつあるという。日本でもそれを裏付ける研究結果が発表されている。一体、どんな内容なのか?東大大学院の国際保健学助教授・福岡秀興氏に聞いた。

「英国医学会の環境疫学の権威バーカー博士が20年前に唱えた説で、“成人病は、胎児期や新生児期の栄養状態によってその素因の約70%が形成され、出生後の生活習慣が加わることで発症する”というものです」
 つまり、体重の軽い赤ちゃんは、将来成人病になりやすいということ。この説で重要なのは、生まれたときの体重が、かつて未熟児とされた2.5キロ以上であっても、発症リスクが高くなるということだ。それはさまざまな疫学調査で証明されているという。
 英国の地域住民男女266人(平均年齢50歳)に行った1989年の調査では、メタボリック(内臓脂肪)症候群の発症率が、出生時体重3.41キロ超で1%、2.95キロ超〜3.41キロで6%、2.5キロ超〜2.95キロで11%、2.5キロ以下で13%だった。つまり、出生時体重が3.41キロより軽ければ軽いほどメタボリック症候群の発症率は高い。

 日本でも30歳以上の女性看護師3万772人を対象にした調査で、出生時体重が2.5〜3.7キロのグループを1としたとき、2.5キロ未満のグループが糖尿病になる確率は2.7倍、3.7キロ超は0.5倍という結果が出ている。
「低栄養にさらされた胎児は、少ない栄養を効率よく利用する体質に変化し、出生後もその体質が変わらない。そのため、少しでも栄養状態が良くなると、途端に肥満になってしまうのです」
 しかも、低体重の赤ちゃんは臓器が未熟になりがちだ。例えば血管の老廃物を濾過(ろか)するのに必要な腎臓糸球体やネフロンの数が少ない。生まれた後も増えることはないから、一つ一つの糸球体に負担がかかり、高血圧になりやすいという。
「成人病胎児期発症説から見れば、“小さく産んで大きく育てる”という日本の風潮は間違いです。ところが、日本人の出生時体重はどんどん下がっていて、1980年には3250グラムあった平均出生時体重が、2004年にはわずか3090グラムにまで低下。かつて未熟児とされた2500グラム未満の赤ちゃんは9.5%にまで増えています。このままでは日本は成人病だらけになってしまいます」
 母親になる若い女性の無謀なダイエットなど、出生時体重低下の原因を何とかしないと“成人病超大国”にまっしぐらだ。あなたの出生時体重は何キロ?




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