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本当に怖い高血圧

タイプ別の危険度と対策を知ろう

 検診で血圧が140/90mmHgを超えると、高血圧と診断される。これに引っ掛かっても問題のない人や、逆に検診結果はセーフでも実は危険性のある人もいる。本当に危ない高血圧は、どんなタイプなのか? 東京都老人医療センターの桑島巌副院長に、高血圧のタイプ別リスクを聞いた。

●夜間高血圧の人
 一般的に血圧は日中が高く、夜間から寝ている間に下がる。しかし、寝ている間も高血圧状態が続くこの“夜間持続型”が一番危険だという。
「1日の4分の1から3分の1もの睡眠時間中ずっと高血圧状態なので、血管や心臓にかかる負担が大きく、動脈硬化が進み、合併症を招きやすくなるのです。夜間血圧の上が150以上の人は、118以下の人に比べて、脳卒中や心臓病に襲われるリスクが4倍にはね上がります」
 降圧剤を利用している人も要注意だ。
「降圧剤は1日1回の服薬で済むものが多くありますが、人によっては夜間に薬効が切れて、高血圧状態になっている人がいるのです」
 就寝前に39度前後のぬるめの風呂に入るなどして、夜間血圧を下げる工夫を。“薬効切れ”を防ぐには、服薬を1日2回にしたり、服薬時間を就寝前にするといい。

●職場高血圧の人
 勤務中に血圧が高くなる人だ。検診時にセーフの人の20〜35%は、このタイプという。
「都庁の事務系職員267人の血圧を測定したところ、62人が職場高血圧でした。ストレスや多忙などのリスク因子を軽減すると、改善が見込まれますが、勤務時間の長さを考えると、放置するのは危険です」
 どれくらい危険なのか?
「職場高血圧は、検診時の血圧が130〜138/85〜89の人に多い。いわば“予備軍”で、4年後には63%が基準値を超えて、本物の高血圧に進むというデータがあります。その意味では、夜間高血圧の次に危ない高血圧です」

●早朝高血圧の人
 起床を境に自律神経は“安らぎ”の副交感神経から“活動”の交感神経に切り替わり、血圧が上昇する。この上がり方が大きすぎるのが早朝高血圧だ。
「一時的な血圧上昇なので、危険度はそれほどでもありません。ただ、朝は時間に余裕を持って行動するなど注意した方が無難。特に脳梗塞を起こしやすい冬の朝は要注意です」

●白衣高血圧の人
 検診時の測定は高血圧なのに、家庭で測ると問題ない人。
「このタイプは治療の必要がありません。むしろ白衣高血圧と知らずに、降圧剤を飲むことの方が危ない。血圧が下がり過ぎる恐れがあるのです」
 まずは1日に何度か血圧を測り、自分がどのタイプの高血圧かを知ることが、身を守る第一歩だ。




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