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突然太り始めて「コレステロール値」や「血糖値」が上がる

てっきりメタボリック症候群だと思ったら…

 突然、太り始めて、コレステロール値や血糖値が上昇する――この症状は内臓脂肪の蓄積で発症するメタボリック症候群そのものだが、もっと怖い別の病気「成人成長ホルモン分泌不全症」が原因の場合もあるというのだ。横浜労災病院の西川哲男副院長に聞いた。
 成長ホルモンは骨を成長させたり、骨格筋の機能を高める。脂肪代謝を促進し、糖を分解、免疫力をアップさせる働きもある。このホルモンの分泌量が減ったり、ストップすると、さまざまな悪影響が出るというのだ。
「交通事故や脳腫瘍、頭部への放射線治療などによって、成長ホルモンを分泌する脳下垂体が傷ついたり、欠損すると、分泌量が落ちます。多くはこれが原因です」
 Aさん(54歳)は脳腫瘍の手術の影響で、成長ホルモンの分泌がストップ。体重が10キロ以上増えて72キロになり、BMI30の肥満に。インスリンの効き方が悪化し、脂肪肝にもなったという。
「一般に脳下垂体機能が低下すると、高脂血症を合併しやすい。海外の調査では、下垂体機能低下症の人の合併率は、正常者の約8倍の16%。肝障害の合併率は2倍。頚動脈の血管壁が厚くなり、動脈硬化が進みやすく、心筋梗塞など心血管障害の発症リスクは、正常者の2倍です」
 成長ホルモンは体力や記憶力などとも関係しているため、うつ的な症状が強く出る人もいる。Bさん(43歳)は、40歳のときに食欲がまったくなくなり、体力が低下、うつ状態に。下垂体の機能低下が原因だと判明したが、脳下垂体自体に欠損などの異常はなかったという。
「20年前の脳震盪(のうしんとう)などで脳下垂体がダメージを受け、その影響が後になって出る場合もあるのです。Bさんも、こうした影響があるのでしょう。この場合、脳下垂体に異常が確認できないことも多く、成長ホルモン分泌刺激試験などの精密検査を受けないと診断がつきません。要注意です」
 2人とも、成長ホルモンを補充し、症状は改善した。Aさんの体重は61キロに下がり、治療前に110だった空腹時血糖値は86に低下。治療前は、ヤル気がうせていたBさんは、今ではバリバリ仕事をこなしている。
「補充を中断すると、再発の恐れが高い。補充は基本的に一生です」
 脳腫瘍や交通事故などの経験がある人が前述のような体の“異変”に見舞われたら、この病気を疑ってみるべきだが、自分勝手に成長ホルモンを含んだ健康食品などに手を出すのは危険だ。
「成長ホルモンの過剰摂取は、発がんリスクを高め、がんの進行を早める恐れがあるのです」
 成長ホルモン分泌不全症かどうかは、横浜労災病院のほか、東大、東京女子医大、日本医大、虎の門病院などで調べることができる。





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