小太りのススメ
有名医師が太鼓判
太り過ぎが体によくないのはもちろんだが、では標準体重をキープすることが健康的かというとそうでもない。実は、標準体重を少しオーバーする“小太り”の方が体にいいことが分かってきたのだ。「ちょい太でだいじょうぶ」の著者で、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏に聞いた。
●健康的なBMIは24〜26
「健康診断では、BMI(体格指数)22が理想とされますが、国内外の調査結果を見ると、必ずしもそうではありません」
厚生労働省研究班の多目的コホート研究では、男性はBMI23〜26.9の人の死亡率が低い。大阪大大学院の磯博康教授らの10万人調査では、循環器疾患全体で一番危険度が低いのは、男性でBMI23〜24.9、女性で25〜26.9。米国のある調査では、BMI25〜29.9の「過体重」の寿命が最長だ。
「各種データを総合すると、男女ともBMI24〜26の人が一番健康的。日本の基準では、BMI25以上が肥満ですが、実は肥満基準値の前後の“小太り”がベストなのです」
●免疫力が上がり、がんにもなりにくい
小太りの人が健康なのは、免疫力が高まるためだという。
「小太りの人は、デブにはなりたくないので大食いはしませんが、概して食い道楽でゆっくり噛んで食べる人が多い。この食べ方が免疫力をアップさせるのです」
具体的にどういうことなのか。
「ゆっくり食べると、消化管のぜん動運動が長く続きます。すると、副交感神経が刺激されて、リンパ球が増えるため、免疫力が上がるのです。満腹まで食べないのもポイント。腹いっぱい食べると、細胞のがん化を抑えると考えられる遺伝子の働きが低下しますが、腹八分目だとその働きが維持されるのです」
●コレステロール値は240〜260が目安
コレステロール値(基準値130〜219mg/dl)は肥満との相関関係が強く、太っている人はダイエットと同時にコレステロール値の低下を指導されやすい。だが、これも基準値を少しオーバーする値の方がいいという。
「高コレステロール血症患者5万人を対象にした日本脂質介入試験によると、コレステロール値が180〜259の人の死亡率が最低で、この範囲を外れると上でも下でも死亡率が高い。ほかの調査を見ても、コレステロール値240〜260は脳梗塞や心筋梗塞、がんの発生率が低いのです」
脳の重量の70%は脂質で、コレステロールは脳のスムーズな働きを保つ上でも欠かせないのだ。
現在、太り過ぎの人はせめて“小太り”を目指そうではないか。
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