かゆみに潜む怖い病気
乾燥肌と思ったら大間違い
空気が乾燥し、かゆみに悩まされる季節である。しかし、かゆみの裏には意外な病気が潜んでいることが少なくない。症状から考えられる病気と対策を、東邦大学医学部皮膚科学第1講座の伊藤正俊教授に聞いた。
●手足の先から全身にアリがはうようなチリチリしたかゆみがある
糖尿病の疑いがあります。徐々に全身がかゆくなるのは、糖尿病により血管が流れにくい手足から軽い脱水症状が起き、皮膚が乾燥するからです。
皮膚の抵抗力が低下するため水虫などの菌が繁殖しやすく、肛門や性器がかゆくなることも。
気になる人は内科で血液検査をして血糖値の数値を調べましょう。血糖値を下げればかゆみは軽減されます。
●夜、全身に強いかゆみがあり無意識にかきむしってミミズ腫れに
食中毒でも全身がかゆくなりますが、だるい、食欲不振などの症状が重なるようだと、肝硬変や腎不全の可能性があります。肝硬変だと先に黄疸が出るため体全体が黄色くみえます。腎不全は顔色がドス黒くなり、不眠になるほど猛烈なかゆみを感じることもあります。
湿疹やじんましん用の軟膏は効きません。内臓疾患によるかゆみは、皮膚ではなく脳の“かゆみの受容体”の作用が活発化し起きるからです。とりあえずオリーブオイルやワセリンなどの保湿薬で皮膚を保湿するか、かゆい場所を冷やすこと。
●シャワーや入浴後に全身が痛がゆくなる
血液の赤血球が異常に増殖する真性多血症が疑われます。かゆみは30分〜1時間程度でおさまる場合が多い。赤ら顔の中高年がかかりやすいこの病気は、血液に粘り気が出て血栓ができやすく、脳梗塞や心筋梗塞などを併発することがあるので要注意です。血液疾患による全身性のかゆみは、白血病や貧血症でも起きます。内科で血液検査を受けた方がいいでしょう。
●背中、お腹、手のひら足の裏がむずがゆい
甲状腺機能亢進症であるバセドー病か、甲状腺機能低下症の橋本病の可能性があります。バセドー病になると、成長ホルモンが過剰に分泌され体の新陳代謝が進み、体温が上昇。外部からのちょっとした刺激でもかゆみにつながります。橋本病だと成長ホルモンの量が少なく、皮膚が乾燥するためかゆくなります。どちらも軟膏などでは治りません。血液検査で甲状腺機能のチェックをすることです。
●性器やおしりの穴の周辺がむずがゆい
尿道が炎症を起こしている可能性があります。おしっこの出やキレも悪いなら、前立腺肥大症が考えられます。ほっておくと前立腺がんにもなる怖い病気ですから、泌尿器科で受診を。
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