汗をかく季節になりやすい病気


まずヤバイのは脳梗塞や心筋梗塞だ。
「汗をかいて脱水症状になると、血液の粘度が高くなって、固まりやすくなる。そして脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなるのです。高血圧や糖尿病、高脂血症、肥満など、脳梗塞を起こすリスクが高い人はより危険です」(横浜旭中央総合病院脳神経外科・谷川達也副部長)
 水分をこまめに取り、炎天下はあまり出歩かない。生活習慣の改善に努めることも大事だ。
 尿管結石も汗をかくと、起こしやすくなる。
「汗をかくと、尿の量が減って、尿が濃くなり、結石ができやすくなります」(東海大学東京病院・片岡邦三医師)
 肥満、酒をよく飲む、尿路結石になったことがある、高尿酸血症や痛風がある、という人は尿管結石を起こしやすい。水分をこまめに取るのと同時に、アルコールは控え、海藻や野菜などのアルカリ性食品や、小魚などのカルシウムを多めに取るようにした方がいい。

 夏はビールがうまい。汗をかいた後のビールは格別の味だ。しかし、たとえ基準値以内でも、尿酸値が高めの人は、控えた方がいい。
「前述のように、汗で尿量が減る。すると、尿酸が尿中で結晶化して、痛風発作を起こしやすくなります。それに加えて、ビールをはじめとしたアルコールを飲むと、尿酸値が上がり、腎臓での尿酸排泄を阻害して、より痛風発作を起こしやすくなるのです」(片岡医師)
 汗をかいて、水分補給をしないでいると、血糖値も跳ね上がる。
「水分補給を意識してやってほしいのですが、スポーツドリンクやジュースのような甘いものは避けること。水分が多い果物も果糖が含まれているので、取り過ぎてはいけません。水やお茶、あるいはステビアなどの甘味料で甘味をつけたものにしてください」(片岡医師)
 ちなみに、水の賢い飲み方は、一気に飲まないこと。体内に吸収されず、余分な水は体外に排出されてしまう。時間をあけて、少しずつ飲むことだ。さらに、レモン果汁や酢などを数滴落とすと、疲労解消にも役立つ。


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