夏の不摂生で爆発する怖い病気

こんなサインがあると危ない

 暑いからと冷たいものを飲み過ぎたり、夏バテ解消にスタミナ食を食べ過ぎたり。蒸し風呂状態の夏は、食生活がメチャクチャになりがちだ。さらに寝苦しさで寝不足になるなど、生活のリズムも狂いやすい。
 こうした夏の不摂生が積み重なって、隠れていた病気が“大爆発”するのがこれからだ。どんなサインがあると危ないのか。具体的なケースを挙げながら、専門家に聞いた。

●暑さに負けまいと連日、ウナギや焼き肉など高カロリー食をペロリ。あるときビアガーデンに繰り出したら、みぞおちから背中にかけて激痛が

「背中だけでなくみぞおちも痛み、時間とともに痛みが激しくなるようなら、急性すい炎が疑われます。背中の痛みはなく、みぞおちだけが間隔をあけて激しく痛むのなら、胆石症でしょう。危険なのは前者で、中性脂肪値が1000mg/dlを超えている人は要注意です」(東邦大医学部・芳野原教授)
 急性すい炎は、すい臓から分泌される消化液がすい臓そのものを消化してしまう病気で、死ぬ恐れもある怖い病気だ。

●花火大会でビールを飲み、終了後、居酒屋でハシゴ酒。上機嫌で帰宅すると、足の裏が熱いことに気づいた

「足の裏が熱くなったりむずがゆくなるのは、痛風発作の前によく見られる症状です。高尿酸血症でそれまで自覚症状がなくても、近いうちに痛風発作が起こりやすい」(東京慈恵医大・細谷龍男教授)
 自律神経の乱れでも足の裏に違和感を感じることがあるし、糖尿病が進んで神経障害を合併したときも、夜間に足のむずがゆさを感じることがあるという。

●夏休みはローテーションで取るため、一時的に仕事が集中するせいか、疲れやすくダルい

「こうした症状が、食欲不振や睡眠不足などによるものなら夏バテでしょうが、急激な夏太りや過剰な飲酒によるものなら、一過性の脂肪肝の可能性もあります」(東海大東京病院・片岡邦三医師)
 脂肪肝は目立った自覚症状がなく見極めにくいが、放置すると肝硬変になることもある。「最近、酒に弱くなった」なんていう人は、早期の生活改善を。

●お盆休みは家族サービスで疲れ、回復しないまま仕事モードに突入。どうも朝起きると、手足がしびれる

「一過性脳虚血発作の恐れがあります。痛みやしびれが片側だけにある場合は、脳梗塞の恐れもあり特に危険です。高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙、肥満がリスク因子で、因子を複数持っている人は、このサインを見逃さず、早めに病院にかかった方が無難です」(芳野教授)
 めまい、ろれつが回らなくなる、転ぶといったこともシグナルになるという。

●暑さで食欲がなく、晩酌でわずかなつまみを流し込む毎日だったが、ある時、背中の片側からわき腹に激痛が

「尿管結石の可能性が高い。夏は発汗で水分が失われ、相対的に尿が濃縮しやすく、尿中の成分が固まって石になり、それが詰まって痛むのです。夏は痛風発作が出やすいのは有名ですが、高尿酸血症の人は尿酸が尿中で結晶化して、尿路結石も起こしやすい」(細谷教授)
 結石予防には1日2リットル以上の水分摂取が欠かせない。

 これを機に生活改善を進めれば、その後の症状の悪化は確実に食い止められる。一つ一つのサインを、決して見逃してはならないのだ。

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