食事でピロリ菌をやっつける

除菌療法がイヤならまずこれだ

 ヘリコバクター・ピロリ菌は胃潰瘍や胃炎の原因菌として知られるが、胃がんリスクが非感染者より5倍高いことも最近わかった。
 そこで広まっているのが、“本を絶つ”ピロリ菌除菌療法なのだが、抗生物質を7日間服用し続けるため、一時的にせよ善玉菌もやられてしまうため、下痢などの副作用も指摘される。そこで薬に頼らず食事で殺菌する方法を紹介しよう。

●梅肉エキス
 梅干しにピロリ菌殺菌作用があるという。社会保険滋賀病院健康管理センターの中島滋美診療部長が言う。
「ピロリ菌陽性患者22人に約130ミリリットルの1%梅肉エキスを1日2回服用してもらいました。その結果、12人の被験者が、2週間後には数値が10%以上低下。うち3人は4週間後に正常値近くまで下がったのです」
 今後、比較対照を設定してデータを詳しく分析する必要があるというが、一定の効果はありそうだ。1日1回、梅干しを食べるといいだろう。

●ココア
 ココアに含まれるカカオFFAという脂肪酸には、ピロリ菌殺菌効果がある。これを発見した森永製菓は、この成分を強化したココア「カカオFFAパワー」をHP〈http://www.morinaga.co.jp/index.html〉で通信販売している。
「胃・十二指腸潰瘍患者を対象に、ひとつのグループは除菌療法に加えて1日3杯のココアを飲んでもらい、もうひとつのグループは除菌療法だけで、1カ月後の除菌率を測定したところ、ココア摂取グループの方が除菌率が有意に高かったのです」(同社広報部)
 胃に食物のない空腹時に1日1〜3杯飲むのが効果的という。

●ヨーグルト
 ヨーグルトに含まれる乳酸菌の中には、ピロリ菌殺菌作用の強いものがある。中でも明治乳業の「明治プロビオヨーグルトLG21」は、人気ナンバーワンだ。
 共同研究者である東海大医学部の古賀泰裕教授は「1日1個、24週間続けて食べればピロリ菌の活動が抑えられ、胃粘膜の炎症も改善する」と発表。抗生物質に耐性のあるピロリ菌にも効果があるという。
 ネスレ・スノー社の「ネスレLC1ヨーグルト」も、ピロリ菌の活動を抑える作用が強いことが確認されている。どちらも1個126円。

●はちみつ
「ニュージーランドにしか自生していないマヌカの木の花から採取したマヌカはちみつは、抗菌力が高い。ピロリ菌を殺菌する力もあることが分かっています」(管理栄養士・林かおり氏)
 健康食品店などで売っているが、250グラム3000円前後と高い。

●ブロッコリー
 米ジョンズ・ホプキンス大などの研究によると、ブロッコリーに含まれる「スルフォラファン」という物質に、ピロリ菌の殺菌作用があるという。この物質は、ブロッコリースプラウトと呼ばれる新芽に多く、スーパーで買うときはぜひ、このスプラウトを選びたい。

 いずれも食品なので、100%の除菌はできないが、こうした工夫で少しでもピロリ菌を殺菌するのは胃の健康の第一歩なのだ。

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