便秘 タイプ知らなきゃ治らない

薬買う男性が増えているが…

「“便秘=女性のもの”というイメージが昔は強かったのですが、最近は便秘薬を買う男性客が目立ちます」と言うのは、ある薬剤師。確かに統計的には依然として女性の数が多いのだが、「男性の便秘が増えている」と指摘する医療関係者は少なくないのだ。
 そこで押さえたいのが「正しい対処法」。実はこれを知らない人が非常に多く、そのために症状を悪化させてしまう人が少なくないのだ。便秘などに詳しい弘前大学保健管理センターの佐々木大輔教授に、正しい対処法を聞いた。
 まず、「自分がどのタイプの便秘かを知ることが非常に大事」だという。
「便秘の9割以上は、大腸の働きの異常による機能性便秘です。そして機能性便秘は大きく“弛緩性便秘”と“けいれん性便秘”に分けられます。弛緩性便秘は大腸の運動能力が低下して、便を押し出す力が弱くなって起こるもの。一方、けいれん性便秘は大腸の運動能力が活発になり過ぎて、便の出口(肛門)が“閉じ気味”になって起こります。2つは全く逆の状態なので、それに応じた対処法を取る必要があるのです」
 これを誤ると、前述のように便秘が改善されず、場合によっては悪化してしまう。何とかしようと便秘薬を使い出すと、もっと悲惨なことになる。
「一般的に便秘の対処法として挙げられているのは弛緩性向けです。便秘薬も8割近くが大腸の働きを高めて便を押し出すもので、弛緩性便秘に対応しています。けいれん性便秘の人が、こちらの便秘薬を長期にわたって使い続けると、薬の効きが悪いのでたくさん服用するようになります。すると耐性ができ、今度は多量の薬を飲まないと排便できなくなってしまうのです。病院にかかっても、医師がけいれん性便秘をしっかり認識していなくて、話だけ聞いてすぐに弛緩性便秘と思い、腸の働きを強める薬を処方するケースが珍しくありません」

 佐々木教授の経験上、弛緩性便秘が多数を占める女性と異なり、男性はけいれん性便秘の方が多いという。弛緩性便秘と間違われないためにも、男性は特に、けいれん性便秘ではないのかを、しっかりチェックする必要がある。その判定は別掲のチェックリストでOKだが、7項目の中でもとりわけ重要なのが「腹痛や腹部不快感があるか」と「便の形状」だ。
「けいれん性便秘は、腹痛を感じ、排便をすると腹痛が消えることがよく見られます。さらに、ウサギのフンのようなコロコロとした便が多い。弛緩性便秘は太くて硬い便が特徴です」
 対処法としては、さまざまな食物繊維を満遍なく取る必要がある弛緩性に対し、けいれん性便秘は食物繊維の中でも水溶性食物繊維を積極的に取ることがポイントだ。熟した果物、カボチャ、キャベツ、ジャガイモ、豆類、海藻類に水溶性食物繊維は豊富だ。
 けいれん性便秘の人が不溶性食物繊維を多く取ると、腹痛がひどくなることがある。ちなみに“不溶性”は、リンゴ、未熟な果実、野菜、ゴボウなどに含まれる。
 体質が大きく関係している弛緩性便秘に対し、けいれん性便秘は「体質プラス何らかの原因による腸への刺激」に、ストレスが加わることがきっかけで悪化すると考えられている。“危険”を察知し、悪化する前に水溶性食物繊維を積極的に取り、ストレス軽減に努めることだ。
 さあ、チェックリストをやってみよう!

●けいれん性便秘の判定リスト
(1)よくお腹が痛くなる
(2)お腹の痛みや不快感は排便でやわらぐ 
(3)食物繊維を積極的に取っているのに一向に便秘が改善されない
(4)便秘薬を飲んでも便秘が改善されない
(5)便が出ても硬いコロコロとした便が多い
(6)ストレスを感じている
(7)きちょうめんで真面目な性格
★2つ以上当てはまれば、けいれん性便秘の可能性大

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