毎年水虫に悩んでいる人に、今年こそ“根絶”する最新情報を紹介しよう。「木酢液がいい」「カテキンがいい」など水虫対策は数多く言われているが、専門家が「これこそいま最も効果が高い」と太鼓判を押すのが次の“4点セット”だ!

●市販薬選びのキーワードは“塩酸”
 水虫の市販薬を買うときは、箱に書かれた成分名をチェックする。「塩酸ブテナフィン」「塩酸テルビナフィン」「塩酸アモロルフィン」「塩酸ネチコナゾール」などのいずれかが入った薬が効く。
 カタカナが苦手なら、とにかく「塩酸」という言葉が入ったものを選ぶ。あるいは、まとめて「スイッチOTC」と呼ばれているので、その言葉を頼りに探す。
「塩酸ブテナフィンなどの成分は、もともと医師の処方薬に使われていたものです。それが2年ほど前から市販薬にも使っていいようになり、今年に入って各社から商品が出そろった感じです。従来の薬と比べて水虫の原因菌である白癬菌への効き目は非常に高く、薬を塗って1日でかゆみなどの症状が治まったという人もいます。値段は2000円前後とほかの薬と比べて高いですが、それだけの価値はあります」(近藤薬局・佐藤文則薬剤師)
 1つの水虫薬に「塩酸――」は1種類しか入っていない。となると、どの成分が最も効果が高いのか気になるが、ある薬剤師は「どの成分も大きな違いはないので、使いやすさなどで選べばいい」と言う。ただ、塩酸ブテナフィンに関しては、こんな“裏ワザ”がある。
「塩酸ブテナフィン入りのクリーム状の水虫薬を塗り、上から尿素クリームを塗る。薬の効果が高まると、文献などで報告されています」(佐藤氏)
 水虫薬は最低1カ月は使う。症状が消えたからといってやめると失敗する。

●漢方薬を併用する
 水虫薬の効果を一層高めるために、水虫薬を塗り、漢方薬を飲む。東洋医学と西洋医学を併用して治療を行う岡田医院(東京・町田)の岡田研吉院長が言う。
「水虫を何度も再発する人は、体内に熱や湿気がこもりやすい体質です。水虫根絶にはこの体質を改善することが必要で、それに役立つのが“平胃散”と“五淋散”。両方飲んでもいいですし、どちらか一方でもいい。健康保険が適用される漢方薬なので、内科医などかかりつけの医師に相談すれば、処方せんを書いてくれます」
 漢方薬局などに直接行っても買えるが、保険は適用されない。

●靴には殺菌脱臭乾燥機を使う
「再感染を防ぐことが、水虫治療では非常に重要」と言うのは東海大学東京病院・大城戸宗男名誉教授。
 再感染の原因で意外に盲点になっているのが靴だ。そこでお勧めは昨年末に島津サイエンスから発売された「ひかりdeきれい」だ。靴の殺菌、脱臭、乾燥を一度に行い、殺菌力は99.9%。医療用具の認可を受けていて類似品はほかにない。値段は2万円前後。

●パルス療法を受ける
「水虫が治りにくい理由のひとつに“爪白癬”があります。爪にできる水虫(爪白癬)は塗り薬で治すのは非常に困難ですが、それを知らずに自分で何とかしようとして、その間に家族に水虫菌をまき散らし、自分も再感染を繰り返す。爪白癬は飲み薬の治療が必要なので、自分がそのタイプなら塗り薬で何とかしようとせずに病院へ行くことです」(大城戸名誉教授)
 爪白癬で注目を集めている最新治療法はパルス療法。これまでは薬を毎日半年以上も服用しなければならなかったが、パルス療法なら1週間薬を服用してその後3週間休み、これを3回繰り返すだけ。治癒率は7割ともいわれている。
 この最新の“4点セット”で、今年はカユくならない!


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