西洋医学ではダメでも大丈夫


 慢性的な症状に悩んでいる人は、漢方薬を試してみてはどうか? 西洋医学ではダメだった症状が、漢方薬で改善されたというケースはよくあることだ。
 どんな症状に漢方薬が適しているのか? 東洋医学と西洋医学を併用して治療を行っている岡田医院(東京・町田市)の岡田研吉院長に聞いた。
「漢方の目的は“病名にこだわらず、今のつらい症状を緩和する”ことです。だから、“病院をいくつ回っても症状が改善されない”“検査をしても原因がみつからず、ストレスのせいだといわれた”“仕事を替えない限り、症状改善は無理と言われた”というような人たちは、特に漢方を試してみる価値があります」

●肩凝り
「基本は葛根湯(かっこんとう)です。もし葛根湯を飲んで胃の不快感があったら、葛根加半夏湯(※はんげとう)に替えるといい。葛根湯を飲んで不眠を訴える方がいますが、その場合は桂枝加(※けいしか)葛根湯に替えてください」

●腰痛
 急にひどい痛みに襲われたときは芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)か当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)がいい。
「慢性的に腰や下肢がだるいときは八味地黄丸(はちみじおうがん)、腰よりも下肢に強い痛みがあるときは疎経活血湯(そけいかっけつとう)、腰や下肢が冷えるときは苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)です」

●めまい
「めまいには五苓散(ごれいさん)、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)、苓桂(りょうけい)朮甘湯が効果的です」

●肩凝りからくる頭痛
 肩凝りなどからくる緊張型頭痛には柴胡(さいこ)桂枝湯、桂枝茯苓丸(ぶくりょうがん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)だ。

●もたれ、吐き気、食欲不振など胃の不調
「特に胃もたれがひどいときは六君子湯(りっくんしとう)、胸焼けやげっぷがひどいときは半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、食欲不振のときは大柴胡湯(だいさいことう)がいい」

●下痢や便秘を繰り返す
 過敏性腸症候群はストレスが関係しているため、「仕事を替えない限り改善は無理」とあきらめている人も多いが、そんな人こそ漢方を使うべきだ。
「下痢と便秘を繰り返すときは桂枝加芍薬湯(しゃくやくとう)、下痢の方が強いときは桂枝人参湯(にんじんとう)がいいでしょう」

●頻尿
 前立腺炎などの疾患はないのに頻尿の場合は、五淋散(ごりんさん)、六味丸(ろくみがん)、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)を飲むといい。
「漢方が自分に合っているかどうかを知る目安は“2〜3日”です。合う漢方なら2〜3日で“調子が少しよくなった気がする”といった実感があるはずです。それがなければ違う漢方に替える。だから買うときはまとめて買わないで、2〜3日分を買ってください。 漢方は天然素材が原料なので、自分に合っていれば長く飲んでも、体への害は心配ありません。数種類を同時に飲んでも問題ない。煎(せん)じ薬、錠剤、顆粒などがありますが、無理なく続けるためには、自分が一番飲みやすいタイプを選ぶといいでしょう」
 紹介した漢方は、※マーク以外すべて保険適用。かかりつけの医者に相談すれば処方せんを書いてくれる。処方せんがなくても、漢方薬局でも購入できる。


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