間違えたら手遅れになる
サラリーマンを何年もやっていれば、だれでも1つや2つは“気になる症状”を抱えている。心配しながらも忙しさにかこつけて病院に行かず、気がついたら手遅れになっていた、ということも少なくない。肝心なのは、気になる症状が、放っておいていいかどうかを見極めること。そこで、どうチェックすればいいかを専門家に聞いた。
●肩が凝り頭痛や吐き気もする
症状がどれくらい続いているかが、第1のポイントだ。
「症状が毎日同じ程度あるなら、単なるひどい肩凝りで、放っておいても命に別条はありません。しかし数週間〜1カ月かけて、徐々に症状がひどくなったら、脳梗塞などが考えられ、放っておいては絶対に駄目です」(杏林大学病院神経内科・作田学教授)
もうひとつチェックするなら、風呂に入ったとき。肩凝りが原因の頭痛や吐き気なら、風呂に入ると肩の凝りも、頭痛、吐き気も軽くなる。
●手がしびれる
ヤバいのは、突然しびれてしばらくすると症状が治まる場合。心筋梗塞や脳腫瘍が予想される。
「左の二の腕に重い痛みのようなしびれを感じたら心筋梗塞、手先からしびれが始まり肩の付け根に向かって15分ほどかけてしびれが移動していくときは、脳腫瘍が考えられます」(作田教授)
二の腕がジンジンとしびれ、日に日にひどくなる場合も危険。肺がんが疑われる。
肺がんの中でも“肺腺”にできるがんで、ちょうどその上を神経が通っているので腕にしびれが生じるのだ。この肺がんはほかの自覚症状がないこともあり、しびれが唯一のサインになる例もある。
●口内炎が痛い
“痛みはあるが、1〜2週間で治る”ときは“本当の口内炎”。食生活を規則正しくすれば治る。
問題は、2週間を超えても治らず、触ると硬く、徐々に大きくなっていくとき。口内炎ではなく舌がんが考えられるので、すぐに検査を受ける。
●せきが止まらない
鎮咳剤(ちんがいざい)を飲んでも止まらず、鼻水やくしゃみなど風邪の症状もない。しかも2週間以上続いている。このような状態なら、せきぜんそくの疑い大。気管支が敏感になって慢性的にせきが出る、いま急増の病気だ。
「一般的なぜんそくのように、ゼイゼイヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)はありません。長年せきぜんそくを患う人には、激しいせきで肋骨(ろっこつ)を折ったりする人もいます」(谷本内科クリニック・谷本普一院長)
すぐに呼吸器の専門家に診てもらうことだ。
●たんが頻繁に出る
たんが頻繁に出て、しかも喫煙者なら、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の恐れあり。
「さらに階段を上ると息切れがする、同世代の同僚と歩くと遅れてついていけない、などの症状があります」(谷本院長)
COPDは完治が難しく、放っておくと息切れがひどくなって日常生活が困難になる上に、肺がんや肺炎のリスクを著しく上げる。決して軽視してはいけない。
●新聞の文字が読みづらい
老眼か、緑内障かを見極めることが大事だ。
「新聞を目に近づけると見えにくいが、遠ざけるときれいに見えるときは老眼です。しかし、近づけても遠ざけても新聞の真ん中辺りが見えにくいなら緑内障の検査を受けた方がいい」(井上眼科病院・井上治郎理事長)
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