英国式リフレクソロジーで体調チェック

 足の裏は体の状態を映す鏡だといわれる。心身が発する黄信号や赤信号など、大切なメッセージがこめられているのだ。具体的には足裏の「色」「しわ」「角質」「におい」に表れる。統合医療ビレッジ看護部長で英国ITEC認定リフレクソロジストの市野さおり氏が、そのチェック法を伝授する。

“リフレクソロジー(反射学)”とは、人間の体の各器官や臓器に相対するポイントが、足や手、顔などにあるという考え方を体系化したもの。足でいえば、足裏反射区は、両足をそろえて親指の先を頭と考えて、体を足に重ねてみるとわかります。これを“足裏マップ”といいます。器官や内臓に対応する足裏スポットを覚えておくと便利です。英国式リフレクソロジーは、特に足裏が発するサインを重要視。問題のスポットをやさしくもみほぐすのが特徴です」
 英国の王立病院では、患者の体のコンディションを知る一つの手がかりとして“足診”を取り入れている所が増えているといわれる。
 それでは、座ってあぐらをかいて“足裏マップ”を念頭に置きながら、自分の足裏をじっくり観察してみよう。

●色
 足裏の色の変化は、顔色と同じように体調に対応している。
(1)赤い――親指が赤くなっているときは、精神的にカッカとしていて、血圧が高くなっている可能性あり。足裏全体が真っ赤になっているときは、胃腸全体が炎症を起こしていることもある。
(2)紫色になっている――紫色になっている場所に対応する臓器の血液循環が悪くなっている。
(3)黄色っぽい――肝機能が落ちて体に疲れがたまっている。
(4)足裏全体が白っぽい――貧血ぎみ。エネルギーが不足して気力が落ちているとも考えられる。

●しわ
 しわは毎日変化するので1日1回は観察を。
(1)浅く長いしわ――しわの場所に対応する臓器や器官に慢性的なトラブルがある。
(2)深く短いしわ――少し前に頭痛、胃痛、腰痛などの急性のトラブルがあり、それがまだ“潜伏”していると考えられる。
(3)網目状のしわ――先天的に弱い部分に出る。足裏マップと照らし合わせて、例えば肝臓の部分に出ていれば、肝臓がタフでないと考える。

●角質(皮膚外側の硬い層)
 これが厚くなっている場所が問題だ。
(1)かかと――大腸など骨盤の中に入っている臓器にトラブルが。便秘、下痢、痔などが考えられる。
(2)親指や小指のつけ根――親指なら首が、小指なら肩甲骨が凝っている。
(3)人さし指と中指の間――目が疲れている。

●におい
(1)ゴムが焼けたようなにおい――イライラして怒りがたまっている。
(2)ぬれぞうきんのようなにおい――大腸にストレスがかかっている。過敏性大腸、大腸ポリープ、大腸がんに注意する。
(3)カルメ焼きのようなこげた甘いにおい――糖尿病の疑いがある。
(4)酸っぱいにおい――自律神経のバランスがくずれている。
(5)便のようなにおい――たばこの吸いすぎから肺がんまで、肺にトラブルがある。
 また、脊柱と足のカーブは似ていて、アーチが張っているとそれに相対する肩、背中、腰が張っていることが多いという。
「毎日足裏をチェックしたら、トラブルが出ているスポットやアーチを利き手の親指で軽く押してマッサージを。入浴前にチェックし、入浴しながらマッサージするのもいいでしょう」
 さあ、あとは実行だ。


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