目的によって材料が違う
「朝起きたら水分を取る」という人が多い。コーヒーや紅茶、あるいは水を飲む人も少なくない。しかし、どうせなら健康により役立つものを取ろうではないか。自分でも簡単に作れ、しかも時間をかけずにすぐできる“目的別・朝1杯の健康ドリンク”を紹介しよう。
●血圧が気になる人
飯塚ヘルスフーズの飯塚律子所長が勧めるのは“根コンブ水”だ。
「前の晩にコップ1杯の水に根コンブ1片を漬けておけば、血圧降下作用のあるヨードが水に十分に溶け出します」
“干しシイタケ水”もいい。
「干しシイタケのエリタデニンに血圧を下げる効果があります」(飯塚氏)
キャベツやセロリ、ジャガイモ、コマツナなどの野菜を30分ほど煮て、ザルでこした煮汁を冷蔵庫に入れておき、朝起きたら飲む。血圧を下げるカリウムや水溶性の食物繊維が取れる。残った野菜は塩コショウで味付けをしたり、ほかの料理に加えたりするといい。
●血糖値が気になる人
「トマトジュース+タマネギのすりおろし」がいい。トマトジュースは無塩のものを選ぶ。
「トマトのペクチンとタマネギのジスルフィドが血糖値を下げます。タマネギは水にさらすと有効成分が溶け出るので、さらさないこと。コップ1杯のトマトジュースに、タマネギ8分の1くらいが目安です」(栄養学博士の白鳥早奈英氏)
小豆を前の晩にゆでておき、そのゆで汁を飲むのもお勧め。小豆のサポニンが血中の脂肪を洗い流すと共に、血糖値を下げてくれる。
●ストレスが気になる人
ストレス対策に役立つのはビタミンCだ。“ゴーヤ+オレンジジュース”ならビタミンCがたっぷり取れる。
「ゴーヤをすりおろして100%オレンジジュースを加える。どちらもビタミンCが豊富です」(飯塚氏)
コップ1杯のオレンジジュースに小ぶりのゴーヤ半分が目安だが、苦味がOKの人はゴーヤを多めに、苦手な人は少なめに。
“ブロッコリー+抹茶”もお勧め。ブロッコリーをすりおろして水で溶いた抹茶と混ぜるだけ。
「ブロッコリーもビタミンCが非常に豊富です。抹茶にはビタミンEが含まれていて、ビタミンCの働きを高めます。ブロッコリーはゆでないで生で使います」(白鳥氏)
ブロッコリーの青臭さが気になる人は豆乳を加えてミキサーにかける。
●酒が気になる人
肝機能対策のために毎日飲むなら、“オレンジジュース+ゼラチン”だ。
「ティースプーン2杯分のゼラチンを50度くらいのお湯で溶かし、オレンジジュースに加えて飲んでください。ゼラチンのコラーゲンが肝臓の細胞を修復し、オレンジジュースのビタミンCがその働きをさらに助けるのです」(白鳥氏)
ゆでた枝豆やグリーンピースに、豆乳とパセリを入れてミキサーにかけたドリンクは、二日酔い対策にいい。アルコールの分解を促進するビタミンB 1、ナイアシン、ビタミンCが取れる。
●肥満が気になる人
「“ワカメ+黒酢”です。ミキサーにかけて液状にして飲みます。コレステロールを取り除いて脂肪を燃焼する食物繊維やクエン酸が吸収できます」(白鳥氏)
ワカメに黒酢をかけサラダのようにして食べてもいい。
豆乳にシソ油を少し落として飲むのも効果あり。豆乳のタンパク質や、シソ油のαリノレン酸がコレステロールを下げる。
目的によって好みのものを選び、早速、明日の朝から始めようではないか。
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